根管治療

 根管治療とは歯の神経の治療です。当院は世界標準の根管治療を行うことができる数少ない歯科医院です。抜歯の宣告を受けた歯を保存することができるかもしれません。

 

レッジ

 

本来の根管を逸脱してファイルを操作して作ってしまったステップをレッジと言います。これが根尖近くにあると根管治療の難易度はとても高くなります。

赤い部分が本来の根管です。

ファイルを入れるとこのように進んで止まってしまいます。赤い部分を綺麗にできません。

 

ファイルを曲げて(プレカーブ)本来の根管を探していきます。この症例では08のファイルで穿通できたのですが、その後番手を上げるとなかなかレッジを超えることができず非常に苦労しました。動画のファイルは40番ですが、ここまでくるのに二回のアポイントが必要でした。180分です。

再根管治療は難しいです。まして本来の根管を壊していると難易度はとても高くなります。

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破折ファイル除去

下顎6番近心根に破折ファイルがあり、根尖病変があります。

CTで破折ファイルの位置と角度を計測します。CTで撮影すると根尖病変の大きさがよく解ります。

メタルコアを除去し感染歯質を取り除いたところ。

コンポジットレジンで隔壁。

ラバーダム

ガッタパーチャをほぼ除去したところ。ここで1回目の治療終了。

3回目で除去。

4.1mmのHファイルでした。CTで計測した長さは4.2mmでした。わりと正確です。

根管充填後

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生活歯のクラック(ヒビ)により歯髄炎をおこした樋状根(といじょうこん)の根管治療
下顎大臼歯の疼痛を訴えて来院されました。適合の良いインレイが入っていましたが、むし歯は無く典型的な生活歯の破折です。2本の破折線が見えます。確実に歯髄に達していますが、歯根までは達していないように見えます。
マイクロスコープの弱拡大
樋状根です。
CT画像
根尖から3mm程度歯冠寄りのスライス。根尖は一つに収束しているようでした。
このような根管を綺麗にするには、洗浄が重要です。ヒポクロリットとEDTAによる交互洗浄を超音波チップを挿入して長時間行います。少なくとも見える範囲では、かなり綺麗になります。

根管充填後のレントゲン写真。破折している歯ですから予後には不安があります。根充剤はもっとコンデンスしたいところではありますが、最小限の拡大だとなかなか難しいです。MTAを使った方が良いのかも知れません。

ところで、左隣に写っている歯の近心根の根充はかなりアンダーですが、全く問題が出ていません。根管充填という作業は実はあまり重要ではないのです。上手にこしたことはないのでしょうが・・・

不快症状は消えたので、補綴治療に入りますが、こういう症例では、セレッククラウンにすることが多いです。歯根が折れる前に歯冠が割れてくれることに期待するわけです。(エビデンスはありません。勝手に思っているだけです)

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再根管治療
下顎小臼歯の根尖病変。根管充填は根の半分程度しか成されておらず、レントゲンからは根管は確認できません。根尖病変は大きく、サイナストラクトもあります。最も成功率の低い再根管治療です。
クラウンとメタルコアを除去し、根管充填剤を除去してマイクロスコープで見ると、頬側寄りに根管口らしきものを発見しました。完全につまっているので、EDTAで洗浄し、特種なファイルで探ると06のファイルに僅かに感触が伝わってきました。慎重にファイルを進めて30番まで拡大したところで撮影したCT画像です。
アキシャルでは1根管のように見えるのですが、コロナルで見ると、なんとなく舌側にも根管がありそうに見えます。
拡大した根管。拡大したので写りますが、拡大前には細すぎて見えなかったと思います。
根管充填後のレントゲン写真。1根管だったようです。
治療回数は2回です。

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樋状根(といじょうこん)

下顎大臼歯に現れる特殊な歯髄の形態に、樋状根とよばれるものがあります。
白い部分はコンポジットレジンで作った隔壁です。これを作らないとラバーダムクランプを掛けることができないのと、仮封(次のアポイントまでの間、仮にフタをしておくこと)をしても周辺から漏洩がおこって感染を起こします。
隔壁の下に歯質。
赤線内部が歯髄腔。
通常の歯髄。
樋状根。入り口はこのような形です。
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フィステル(サイナストラクト)

歯の根本付近の歯肉にニキビのようなものができているのは、根管に感染がおきて骨内に膿が溜まり、それが歯肉を破ってでてきている状態で、これをフィステル(サイナストラクト)といいます。大きくなったり小さくなったりしますが、自然治癒はしません。口内炎ではありません。痛みはないことが多いです。
これもそうです。ときどき大きくなって潰れます。どの歯にもできます。神経を抜いた歯にできますから、クラウンが被っていることが多いです。
全てとは言えませんが、根管治療で殆どの場合フィステルは消えます。したがってフィステル(サイナストラクト)の存在は抜歯の診断には結びつきません。治療してどうしても治らないときに初めて抜歯の選択肢が生まれます。左は根管治療中の上顎第一大臼歯。未処置の近心頬側第二根管がありました。次のアポイントにはフィステルは消えていました。
通常の根管治療で治らない場合には、外科的歯内療法を選択することもあります。これは上顎第二大臼歯近心根へのアプローチですが、奥になるほど難しい処置になります。
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複雑な下顎第二小臼歯の根管

通常下顎第二小臼歯は根管はひとつですが、この歯は3根管です。優秀な歯科医なら2根管まではマイクロスコープなしでも処置するかもしれませんが、3根目は殆ど見逃されると思います。その場合、その根は未処置で治療を終えるわけですが、それが必ずしもトラブルを引き起こすわけではありません。幸運な経過というのはたくさんあります。おそらく見逃さず処置された方がトラブルの可能性は減るとは思いますが、実際の所不明です。歯科医自身も気づいていないのですから、データとして集めることができないのです。
幸運に頼るなら、根管内の感染の機会を極力減らすことです。そのためにはラバーダムは有効な手段です。

しかし一度トラブルが起きたら必ず処置する必要があります。そこに幸運を期待しても無駄です。3根めが発見されなければトラブルを解消することは難しいでしょう。

上の写真の下側の二つの根管口は拡大していくと一根に収束していました。根管充填は今は亡き大津先生のオピアンキャリアメソッドです。
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根尖孔

根の先に開いている穴を根尖孔といいます。この穴から歯の中に神経や血管が入ってきます。5年ほど前でしょうか、マイクロスコープを導入して初めて見ることができたときは感動しました。
青で囲まれた部分です。撮影環境が悪いので不鮮明ですが、実際には遙かにクリアな像で見ています。

生活歯の破折

痛みがあるという上顎小臼歯。アマガルガムを除去して破折を確認。染色するまでもなく明確に走る破折線。正確には生活歯ではありませんでした。すでに神経は死んでいました。
一度抜歯して接着して再植という方法もあるようですが、私は現時点では抜歯を選択しています。
これも同じく破折。
青い線に沿って完全に割れています。
必要以上に硬いものは噛まない方が良いです。
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根管内異物除去(破折リーマー)

噛むと痛みを感じるということでレントゲンを撮ると、根管内下半分に金属らしい透過像
赤線の内部です。
クラウンを外すとラバーダムクランプ(写真金色のもの)が効かないのでコンポジットレジンで盛り上げてクランプが掛かるようにビルドアップします。
上半分の根充材を除去すると光るものが見えてきました。
幸運にも破折していたリーマーを除去することができました。

 

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歯髄保存療法

 歯髄(神経)を保存する方法です。


プロルートMTAを使った直接覆髄 (direct pulp capping)

上顎小臼歯近心隣接面からの深いムシ歯です。痛みはありません。時々物が詰まるという程度の訴えでした。痛みがあれば神経を抜く治療になることが殆どです。
カリエスチェックというムシ歯染色液を使って慎重に感染歯質(ムシ歯)を削り取ります。歯髄に近くなったらタービンは使わず小さいナイフのような器具で手指の感覚で削り取っていきます。
歯髄に到達してしまいました。赤く見えるのが歯髄(神経)です。患者さんの年齢やその他をトータルで考えて、これは神経を残す方向で治療を進めることにしました。近日中に痛みが出て結局神経を抜かなくてはならなくなる可能性と、暫くしてから同様に痛くなってくる可能性、そして無症状で歯髄が壊死する可能性を説明し、納得して頂きます。
MTAで露出した神経をカバーします。
コンポジットレジンで更にカバーして光学印象まで済ませて仮封して本日の処置は終了します。この削り方はコンサーバティブな修復処置には対応しません。金属で作ったものを従来のセメントで付けてもこの形成では簡単に外れてしまいます。高度な接着操作によって最小限の切削量による修復が可能になるのです。
セレックで修復

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バイタルパルプセラピー

6番のインレイを除去してむし歯を削り取ると露髄しました。
写真は冠部歯髄を除去したところ。出血します。つまり健康だと思われる歯髄が露出しています。死んだ歯髄は出血しません。
NaOCl綿球を置いて5分ほどでほぼ止血しました。
その上をセラカルという特殊なセメントで覆ってレジンコアを詰めます。
次回のアポイントで経過を訊くと全く痛みは出なかったとのことでした。さっそく補綴処置に移ります。他の歯科医がこの6番のレントゲンを将来撮影することがあったならきっと手抜きの根管治療だと思うことでしょうが、これはバイタルパルプセラピー、歯髄保存療法です。従来は若年者が適応とされていましたが、今は年齢には関係ないことが解っています。

 

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ダイレクトボンディング

 コンポジットレジンという材料を使って最小限の削除で金属を使わない修復が可能です。


前歯隣接面を含むマイクロ下でのダイレクトボンディング

前歯の隣接面の修復物が変色してきたのでやり直します。
マイクロスコープ下で徹底的に病的歯質を除去します。
ダイレクトボンディング。後日もう一度研磨をします。

ダイレクトボンディング

ダイレクトボンディングで修復しました。特殊なコンポジットレジンで何種類もある色を積み上げて色を合わせていきます。これはグラディアダイレクトというコンポジットレジンです。マイクロスコープ下で行う保険外診療です。下がこの症例の動画。オレンジ色なのは作業中にレジンが固まってしまうのを防ぐためです。光で固まるマテリアルです。

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上顎正中離開
上唇小帯の付着異常による、正中離開。小帯切除術を行い数週間後に印象しました。
ワックスアップ
シリコンインデックス
ダイレクトボンディング
歯はいっさい削っていません。充填の際の歯間乳頭のコントロールが、このテクニックの重要なコツです。小帯切除の時点で、充填後の形態を想像しておくことも重要です。
別症例
術前
術後

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破折した前歯にダイレクトボンディング
ぶつけて折れてしまった前歯。
むし歯ではないので削らないで修復します。
セパレーターとマトリクス
修復後
セパレーター

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前歯隣接面のダイレクトボンディング
隣接面の再治療。間が緩くなってきて挟まるとのことです。最小限の削除のあと、セパレーターで歯間を広げます。
まず向かって左を充填
 
充填後
研磨後
接触はデンタルフロスがやっと通るくらいの強さです。

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臼歯隣接面ダイレクトボンディング
大臼歯の隣接面を含む充填には、様々な道具を使います。
ラバーダムを掛けるのが難しい歯の形態でしたので、シリコンのチューブを入れて
唾液の滲入を防いでいます。
黄色いゴム紐がこの症例では重要です。
充填してオレンジ色の器具を外したところ。このゴム紐が隣接面歯肉縁下へのレジンのはみ出しを防いでくれます。はみ出したレジンは歯肉炎を起こします。
自然感を出すために、褐色の着色剤を使ってみましたが、あんまり上手じゃありませんし、必要かどうかも分かりません。

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歯の削除量と修復物
歯と歯の間にできたむし歯
青丸の部分です。
CERECでもメタルインレーでも、ハイブリッドでも、この程度は削らないと治すことができません。口の外で作って、歯に接着するという手法をとる限り、大なり小なり歯の健康な部分を削る必要があります。
ダイレクトボンディングは、削除量という点では、他の方法より圧倒的に優れています。悪いところだけ削って、詰めることが可能です。むし歯治療の第一選択はダイレクトボンディングです。大きく削る治療はできるだけ避けたいものです。

 

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インプラント

 

歯が無くなってしまった部位にチタンの人工歯根を埋め込んで歯を作る方法です。インプラントの情報はネット上にあふれていますからここでは当院の治療例の写真だけ掲載します。


インプラントの仮歯
2本がインプラント
オペ終了時
インプラント本体
アバットメント
セラミックを被せたところ
同上
欠損部位
インプラント埋入後のレントゲン
セット時

 

 

 

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審美治療

 セラミックなどを用いて歯を機能的に美しく修復することができます。

オールセラミッククラウン
右上2番の変色と左上3番のレジン前装冠の改善が希望
術前の状態
術後
偶然上手くいきましたが、ここまで色調をマッチさせるのは難しいです。
写真中央
右上2番の術後
写真中央
左上3番の術後

別症例ですが、ラボ(技工所)にはこれらの画像を送ります。距離と露出を変えて、10枚ほど撮影します。これだけでは難しい場合は、直接テクニシャン(技工士)が来て色あわせを行います。完成して装着された写真も見てもらうことによって、私の眼(実際はカメラ)とテクニシャンの眼のすりあわせを行っていくことになります。精密な印象と情報を渡すことが重要で、そこでのエラーをカバーすることはできません。CAD/CAMにおいては更に形成の善し悪しが決定的に影響してきます。3Dスキャナとミリングマシンは、好き嫌いが激しいのです。

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フルマウスリコンストラクション
全顎に渡るむし歯とそれに伴う咬合崩壊。長い付き合いの患者さんで、いつかは本格的な治療に踏み切らなければならないとお互いに覚悟はしていましたが、腹をくくりました。
上顎咬合面観
同下顎
診断用ワックスアップ。
週2回、1回につき1時間~3時間のアポイントで根管治療と歯周治療を行い咬合を再構成していきました。この写真は上顎前歯部の歯冠長延長術。
印象。ここに辿り着くまでが長い道のりでした。百数十時間を費やしています。
ジルコニアクラウン。
正面から
上顎咬合面観
同下顎
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オールセラミッククラウン(ジルコニア)

治療前
不適切なレジン充填の下には深く広がったむし歯。不十分な根管治療。審美不良。噛むと痛い。
治療後
治療歴のある歯の治療は、初めて治療される歯に比べて手間が掛かります。殆ど全ての歯の治療をやり直し、奥歯にはインプラントを使用しました。根管治療をやり直さなくて済めば治療期間は圧倒的に短縮されるのですが、それは言っても仕方がありません。一度もキャンセルすることなく根気よく通ってくださったことに感謝。

圧排

特に審美性が必要な部位では補綴物と歯の境目(マージン)は歯肉の下に入ります。
黄色い部分が歯、赤い部分が歯肉です。このまま型を採っても歯肉と歯が連続しているので模型上で境目を見分けることはできません。
そこで歯肉と歯の間に糸を入れて歯と歯肉の間に一時的にスペースを作ります。これを歯肉圧排と言います。
拡大するとこのようになります。
上顎前歯でこの処置を実際に行っているところ。黒い糸が入っています
緑色が型を採る材料です。歯肉と歯の間に流し込みます。
シリコン印象
石膏を流したところ
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メタルボンドブリッジ

ぶつけて折れてしまった前歯をレジンの前装冠で補綴してありました。歯根が吸収し、グラグラになっていました。
抜歯
吸収した歯根。これはどうやっても残せません。
縫合して即日で仮歯
神経を抜かないように慎重に削ります。削除量を確認するためのシリコンインデックスを嵌めたところ。欠損部の歯肉がへこんでいるのでCTGをお奨めしましたが、そこまではご希望ではありませんでした。
治療終了から2年後。上顎中切歯2本欠損のブリッジは保険では犬歯まで連結しないと認められません。私にはこの症例で健全な犬歯まで削ることが正しいとは思えません。インプラントなら全く歯を削ることなく治療することができますが、この症例にインプラントは骨を増やす必要があり最低でも3回のオペが必要になります。
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オベイドポンティック

上顎中切歯の欠損です。
仮歯で歯肉を加圧したり、エレクトロサージェリーを使ったりして、歯肉に凹みを作ってあります。
この凹みにポンティック(ブリッジの歯のない部分)の基底面を沿わせることにより、まるで歯が生えているような自然観と、舌感の良さを得ることができます。
通常のポンティック。
オベイドポンティック。

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形成と歯髄とCT
抜歯した後、両隣に歯が残っていればブリッジで欠損部を回復することができます。
両方の歯を平行に削る必要があります。赤い部分が歯髄です。
このようになります。
メタルボンドブリッジ
ところがこのように、歯が傾斜している場合があります。
これを平行に削ると、神経が出てしまします。こうなると神経を抜くしかありません。歯科治療は何かを犠牲にしないと成り立たないのです。
神経の位置を知るには、レントゲンしかありません。しかし普通のレントゲンは口の中にフィルムを入れて口の外から照射します。
影絵のようなものです。
パノラマレントゲンという、口の中にフィルムを入れない撮影方法もありますが、やはり影絵です。
ただ、このくらい見えれば大丈夫です。臼歯形成の場合はそう問題はありません。

しかし、このようにレントゲンの照射方向と同軸方向に傾斜している歯の場合は難しくなります

前歯の形成ではこうなります。くわえて前歯では審美性が重要で、そのためにはどうしても削除量が大きくなります。まっさらの歯を削る場合には、ある程度の予想が可能ですが、再治療となると、つまり既に削ってある歯の歯髄の位置は殆どわかりません。

CTならば、このような情報を得ることができます。

この方向からのレントゲン撮影は、CTでしかできません。写っている範囲の全ての部位を、あらゆる方向から観察することが可能です。

画像はまだ荒いです。ですが、とても高価な医科用のCTでも少なくとも歯科領域では画像に大きな差はありません。

ときどき、昔撮影した古いフィルムのレントゲン写真を見るのですが、あれを超えることはないのかも知れません。拡大できないから余計綺麗に見えます。

                           

 

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有床義歯

 取り外しの入れ歯です。

前歯部金属床義歯
抜歯を終えた状態。
右上の2本をメタルボンド。裏側にはシンギュラムレスト。前歯にクラスプ(バネ)を見せたくないので、工夫します。
だからといって、ノンクラスプ義歯は論外。ノンクラスプデンチャーは歯の根本の歯肉を維持に使いますが、歯頸部を覆うと歯周病は進行します。そもそも指で摘んで曲がるような弾力性のある素材で、咬合を確立するのは無理です。作ったことも作ろうとしたこともありません。
右上の小臼歯の欠損にブリッジで対応しないのは、義歯の維持を考えてのことです。

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義歯の咬合調整


総義歯はクラウンのような歯にくっつける補綴物ではなく、粘膜の上に乗っているので噛むと動きます。小さな咬合のズレはこの動きで吸収してしまいます。そのため、色の付いた紙(咬合紙といいます)をカチカチ噛んでもらって高いところを削るという咬合調整には限界があります。患者さん自身もどこが高いのか正確には分からないものです。
オクルーザルインジケーターワックスというものを使う方法もありますが、私には使いこなせません。

咬合器というのですが、これに付けて調整します。作業に時間が掛かるので義歯を預かる必要があります。多数の抜歯をして一度仮義歯を入れて、顎の骨が安定するのを待って最終義歯を入れるという計画で、初診から2年ほど経過している方です。すでに義歯を入れている方ですので、少し治療期間が延びても困らないのです。

金属床の修理

部分入れ歯は金属床義歯といって、ピンクの部分や歯以外のパーツを鋳造して作る方法があります。薄くて丈夫で設計の自由度が高く、噛み合わせや型取りにも高度な技術が使えるのですが、修理が難しいというたった一つの欠点がありました。
上の写真と同じ義歯です。1本自分の歯を失ってしまったので義歯をお借りして修理しました。金属に金属を継ぎ足してそこに歯を増やしてあります。レーザー溶接という特殊な方法です。
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無口蓋義歯

全ての歯が動揺、排膿しており歯並びも大きく変化してしまっています。噛む位置がずれてご本人もどこで噛んで良いのか分からなくなってしまっていました。嘔吐反射(げ~っとなってしまう)が強い方で、印象を採ることさえ大変な方です。

上顎は全て抜歯して総義歯を計画。仮義歯を入れて少しずつ最終的な形に修正していきます。
上顎総義歯の基本形は、このように上顎を全部覆います、これによって吸着して安定して噛めるようになるのですが、入れていられなければ机上の空論です。
最終的に選んだ義歯の形態はこうなりました。上顎、口蓋の部分をくり抜いてあります。最優先は装着感です。維持安定は犠牲になりますが、幸い上顎の形態が良かったので最小限で済みました。
ただしどなたにでもできる方法ではありません。
下顎は前歯をブリッジにして臼歯は部分入れ歯を選択しました。

義歯の審美性

口元が老けて見える。上の歯が見えないという主訴です。全体の咬み合わせが低く、上顎前歯の位置に問題があります。
今まで使っていた義歯に材料を盛り足して、使用していただきながら適正な咬み合わせの高さと前歯の位置を探っていきます。盛り上げた部分が分かりづらいので青線で囲みました。
修正した義歯を新しい義歯に再現して完成。

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マグネットオーバーデンチャー

上顎3本、下顎1本が残存し、噛み合う歯がないために上の歯は下に、下の歯は上に伸びてしまっています。むし歯も深く歯周病も進行しています。
 

歯内療法、歯周治療を行い、根を残して磁石を取り付けます。義歯にも磁石を付けて吸着させます。

今後残った歯にトラブルがあっても、義歯を修理することによって対処できます。

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ゴシックアーチトレーサー

   
 

歯が少なくなっていくと、噛み合わせの位置が不安定になっていきます。その究極は総義歯です。噛み合わせを歯科医師が作ることになります。これはその方法の一つで、ゴシックアーチトレーサーという装置です。中央に下向きの矢印のような軌跡が見えますが、これは顎の動きを再現します。矢印の先端がこの患者さんの噛む位置です。

 
 

上の写真の装置が上顎に入れられ、下にはピンが立てられています。この位置を特殊な石膏を注入して正確に採得します。

 
 

これで上下の顎の位置関係を採ることができました。「はい咬んで下さい」と歯科医師に指示されたときに、どこで咬んで良いのか解らないという方には、この方法が有効です。手間をかければ後のステップがスムーズに運びます。


金属床義歯

 
上顎の総義歯は、金属床(きんぞくしょう)をお奨めします。通常の義歯に比べて上あごを覆う部分に金属を使用することにより、遙かに装着感が良くなります。また、強度もあるので、義歯が割れるというトラブルも少なくなります。金属部分の厚みは0.5mm程度です。  
局部床義歯。見えない部分に金属を使い、薄さと強度という、通常の義歯では相反する特性を持たせることができます。違和感が少なく、精密で耐久性にも優れています。  
 
厚みのクローズアップ

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セレック

 

上の方法は現在行っておりません。通常通り型を取って作成しています。
モニター上であらゆる角度から、咬み合う部分の盛り上がりや形を微調整し理想的な形にしていきます。設計後、御用意してあるさまざまな色のセラミックブロックから、最も適した色のブロックを選びます。
ミリングマシンと呼ばれる機械が、コンピュータで設計されたデータをもとにセラミックブロックを削り出し、チェアサイドでみるみるうちに精度に優れた修復物を加工作製していきます。
最先端の接着方法を用いて、削り出されたセラミック歯を口腔内へセットします。これですべての治療が完了となります。

 

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Copy&Pasteでセレックの設計
通常の印象
ワックスアップ
模型をスキャン
ワックスパターンを模型に戻してスキャン
取り込んだ模型の3Dデータ
取り込んだワックスパターンの3Dデータをコピー
模型の3Dデータにペースト
デザイン終了
ミリングしてできたクラウンとワックスパターン
模型に戻してみたところ

 


セレックの限界

上顎左側切歯のセレックによる修復です。赤い横のラインが少し傾いていますが、これは反対側の側切歯に合わせたためです。切端が直線になってしまっているのを見て頂きたいための補助線です。
次に赤いラインで囲まれた部分を左の青いラインのそれと比較すると表面の微細な凹凸が無く単純な平面になっているのが分かると思います。そして右の緑にある色彩のうねりのようなものもありません。実際にはグラデーションはあるのですが、あまり分かりません。
CAD/CAMの限界です。ここに後から人の手を入れればそれも再現可能なのですが、それだと当然コストが掛かります。
写真は、特にストロボを使った場合色を誤魔化しますから肉眼で見たときにはまた別だと思いますが、この程度です。歯肉の高さが反対側と揃っていないとかトランジショナルエリアの設計だとか専門家の目から見ればアラを探すことはできますが、誤解を恐れずに書けば、これで充分なんじゃないでしょうか?
ただし全てセレックでできるわけではありません。連結することは不可能ですし、ブリッジにも対応しません。
上の写真の症例の術前のレントゲン。根尖病変があります。
術中。
術後5年。根尖病変は消失しています。

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セレックによる審美治療

治療前の状態
治療後の状態
小さなむし歯はコンポジットレジンで充填し、大きな修復はセレックで行いました。

 

部分矯正・外科的廷出

   

エキストルージョン(矯正的廷出)。歯を引っ張り出します。

 


外科的廷出

インレイを除去すると、歯肉の下まで及ぶむし歯が出てきました。歯肉の下の根に広がるむし歯は、歯周病的にも、補綴的にも、解剖学的にもいろいろな問題がありますが、すごく単純に書けば、歯ぐきの下のむし歯は上手に削りとることは不可能です。
というわけで、抜歯しました。
抜いた穴です。
口の外でむし歯を完全に削り取って穴に戻します。そのまま戻すと深く入ってまた歯ぐきの下に隠れてしまうので、浅く戻します。
隣の歯と連結して固定します。
側面観
術直後のレントゲン
赤い部分が抜いて空洞になっている部分です。
2週間後
2ヶ月後。空洞はほぼ骨で満たされました。
側面観
咬合面観
術前。歯肉の下まで進行したむし歯
術後。むし歯を完全に取り除いて、これから土台を作って被せます。この処置での今後のリスクは短くなってしまった歯根の破折と、外科処置による歯根の吸収です。破折の危険性はファイバーポストに依って回避できるかもしれません。歯根吸収は残念ながら起きてしまえばコントロールできません。しかし何もしなければ確実に抜歯になります。

 

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歯周治療

 


インプラント周囲への遊離歯肉移植術(FGG)

埋入後3ヶ月。テンポラリーヒーリングアバットメントを装着した状態です。
青い線で区切られた上の部分が付着歯肉と呼ばれる部分で、ホッペタを引っ張ったりしても動きません。一方下の部分は可動粘膜(遊離歯肉)で、頬を引っ張ればいっしょに動いてきます。インプラントの根本の歯肉が可動であることはあまり歓迎されることではありません。天然歯においても同様です。
色が濃い部分が可動粘膜(遊離歯肉)。かなり上部にまで広がっています。
このような場合に行われる歯周外科は、遊離歯肉移植術(free gingival graft. FGG)というものです。口蓋からこのように上皮付きで移植歯肉を採取します。
このくらいの厚さです。
遊離歯肉をAPF ( 歯肉弁根尖側移動術 )の要領で移動し、そこに採取した歯肉を移植します。縫合してサージカルパックという包帯のような物で覆います。翌日の来院で、術後の痛みは殆どなかったとのことでした。
一週間後、パックを除去した状態。
青い線の下まで可動粘膜域が移動しています。
上から見たところ(鏡で撮っているので反転しています)。手前の歯に残っている白いセメントのような物がサージカルパックです。数週間で充分な付着歯肉がインプラント周囲に形成されます。
口蓋採取部。日常生活に支障のない程度までは快復しています。こちらは抜糸しました。可動粘膜がかなり上部に広がっていたのでこの術式になりましたが、もう少し範囲が狭く、インプラント周囲に移動可能な歯肉があれば口蓋からの採取はしなくても済む場合があります。そのようなケースでは2次オペの際に同時に行います。切り取って捨ててしまう歯肉を利用しますから短時間で侵襲も少ないです。
抜糸後3週。青いラインまで付着歯肉を獲得することができました。
少し色が違うのが見えるでしょうか?
術前の写真。付着歯肉の獲得によりブラッシングしやすくなります。ヒーリングアバットメント(円柱のような突起物)に付着したプラークが、上の術後の写真には見られません。

 

上皮下結合組織移植術(CTG)
病変の大きかった歯の抜歯により、青線で囲まれた部分の歯肉が大きく陥没してしまっています。
この状態で歯を入れるとこの様な形になってしまいます。
口蓋の歯肉を移植します。この症例では陥没が大きかったため二度の移植が必要でした。これは一回目で主に高さを増しました。
組織を採取した口蓋。上皮を残して内部の組織だけを採るので侵襲は少なく、10日程度でこのくらいまで回復します。
充分な高さと厚みを得ることができました。

 

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ホワイトニング

 ホワイトニングとは歯の漂白です。ホワイトニングは歯科医院で行なう高濃度のジェルを使用するオフィスホワイトニングと自宅で行う低濃度ジェルによるホームホワイトニングがあります。当院ではホームホワイトニングを採用しています。ホワイトニングは特にテクニックが必要な処置ではありません。どの歯科医院を選んでも大差ないと思います。

 

ウォーキングブリーチ
神経を抜いた歯の変色を治すウォーキングブリーチという方法があります。
神経を抜いた歯が極端に黒ずむのは、殆どは歯の中が汚れているからです。きちんとした治療が成されていれば、それほど黒くなったりはしません。
ウォーキングブリーチは過ホウ酸ナトリウムを過酸化水素水で練って詰めるという術式が、広く周知されていると思います。ウォーキングブリーチには落とし穴があって、上記の方法だと歯根の外部吸収のスイッチが入ってしまうことがあります。つまり、根がとけてしまうのです。ひとたびこのスイッチが入ると、この歯の保存は非常に困難になります。2〜7%の頻度でそれが起きるとのことですから、これはかなり高い数字です。
これは歯根吸収のリスクを回避した方法で行ったウォーキングブリーチ。一週間でここまで回復します。グレーだった部分が明るくなっています。歯根吸収の心配もありません。

 


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歯面清掃

 歯の表面に、特殊な粉末を専用の器具を使って水と一緒に噴射して、付いた汚れを落とします。歯石は取れません。コーヒー等の色素や、タバコのヤニを落とすのに使います。かなり綺麗になります。

入れ歯の歯の汚れは、特殊な薬液で落とすことができます。これもかなり綺麗になります。


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