クラックによる歯髄炎

上顎7番。クラックからの感染と思われる歯髄炎です。症状的には生活歯髄療法(神経の一部を残す治療法)も可能だったのですが感染経路を考えるとリスクがあると考え抜髄しました。40年ほど前の治療だったそうです。ブラボーです! 完全にむし歯を取り除いて精密な治療をすれば長持ちするんです。根本的なところはずっと以前から変わりません。ヒビが入ってしまったのは仕方ありません。

歯髄腔が狭窄しており根管口も細くなっていました。顕微鏡下じゃないと無駄な切削をしない治療は難しいと思います。上顎7番はラバーダムが掛けづらく、掛かってもズレたり外れたりしやすいので、クランプをコンポジットレジンで固定します。これは案外重要なポイントです。とにかく何としてでもラバーダムを掛けないと根管治療は始まりません。

根管口の明示



非常に細い根管口でした。繊細に大胆にというところでしょうか。

術前レントゲン
根管拡大後
根管充填後

感染根管ですが未処置だったので根管の拡大は最小限です。触られていない根管の治療は処置されたそれより難易度はぐっと下がります。

なお、木田歯科医院は4月から自由診療専門医院となります。保険での治療は行いません。


複雑な根管形態の上顎6番

複雑な根管です。

口蓋根

遠心頬側根

近心頬側根

最終的には4根尖孔のように見えますが、イスムスだらけだと思われます。

抜髄根管ですので最も重要なのは感染させないことです。こういった歯をラバーダムも隔壁も無しで根管治療するのは自殺行為です。これが感染根管になってしまったら大ごとです。