根管治療をしても残せない歯

歯に強度がなければ根管治療を行っても残すことはできません。むし歯を除去していくと歯そのものがなくなってしまうようでは残すことはできません。歯が割れている場合はやはり保存は難しいと思います。

動画ではエキスカベータという刃の着いた耳掻きのようなもので刃の内部をひっかくと、柔らかくなってしまった歯がどこまでもボロボロと取れてきます。この根に土台を立てて歯を被せるのは腐った土台の上に家を建てるようなものです。金だろうがセラミックだろうが上物にどんな材料を使おうが予後は不良です。

破折ファイル除去

根管の中で器具が折れてしまうことがあります。当院のYouTubeチャンネルに記録されていたのが9ケースでした。たぶん今まで除去したのは20本程度だと思います。除去できなかったことは今のところ一度もありません。

古い映像記録はとっても画質が悪いです。それでも当時は最良と思えた内蔵の3ccdカメラでした。動画の保存も大変手間の掛かる作業で紆余曲折してMacにビデオキャプチャするところまでは頑張ったのですが、徐々にやらなくなっていました。
このへん、興味ないと思いますが興味がある変人は(^^;)、こんな記事をやこんな記事を読んでください。もっと読みたければここから記事をチョイスしてください。

再根管治療が奏効しない根本的な理由

神経の無い歯のトラブルは殆どが細菌感染です。むし歯になって柔らかくなった部分(軟化象牙質)には細菌がいっぱいです。ですからむし歯が残っていると治りません。口の中は細菌だらけです。ですから歯の中と口のなかを隔離しなければなりません。そこからスタートするのが基本中の基本です。根管の中の細菌は多くが偏性嫌気性菌という酸素のある環境下では生息できない菌なので穴を開けて風通しを良くしてやれば治っちゃうのかも知れません。

このケース。軟化象牙質だらけでそのうえ歯の中に穴が開いていました(パーフォレーション)。何回治療しても何年治療しても治りません。