親知らず

親知らずのせいで手前の歯にむし歯ができてしまったケースです。
親知らずを抜歯しておけば、ここがむし歯になる確率はずっと低かったはずです。
十数年前にこのブリッジを入れるときにその説明はしたのですが、何でも無い歯を抜くのには抵抗があるということで、強く奨めることはしなかったのが悔やまれます。ワーファリンという薬を飲んでいたせいもありました。血液をサラサラにするクスリです。
因みに以前は抜歯前にワーファリンを休薬するのが一般的でしたが、休薬のリスクが出血のリスクを上回るので今はPT-INR値が4以下ならば休薬せずに抜歯可能とするガイドラインが出ています(2010年)。

根管充填を終えたのでこれから親知らずを抜歯した後にブリッジを作りなおします。

メタルインレイ

むし歯があると、こうやって治療すると教わったのが40年前。
ブラックの窩洞条件というのを暗記したものでした。

適切な窩洞形態
充分な保持形態
充分な抵抗形態
必要な便宜形態
正しい窩縁形態

接着という概念がなかった時代には仕方がなかったのかもしれませんが、マテリアルは進化しているのです。

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下の赤い線で囲まれた歯は上の写真と同じように治療されていたのですが、外れてしまったのでレジンで治療し直しました。
当院ではメタルインレイの治療はよほど歯冠崩壊が進んでいない限り殆どしません。
メタルインレイは、小さなむし歯でも同じように大きく削らないと成立しません。インレイの形がどれも同じようなのはそのせいです。同じような形のむし歯を治療したわけではないのです。

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