根と根の間にむし歯があって残せない

根と根の間、根分岐部といいますがここに大きなむし歯があってこれは無理と判断しました。
そもそも被せ物がしてあった歯なんですがここがトンネル状になっていてイヤな臭いがして気になっていたそうです。
半分にセパレートして矯正で引き上げて小臼歯2本分にして残すという方法も無くは無いのかもしれませんがインプラントの方が予知性は高いと思います。

ラバーダムシートから歯根面を露出させる為の色々なテクニック

隔壁を作ってラバーダムクランプを保持させている場合、それを除去するとクランプを掛けること自体が難しくなります。それは多くの場合コアの築造の時です。唾液は勿論血液は強力な接着阻害を引き起こします。ですからラバーダムを掛けるのが困難な原因が局所にある場合はさまざまな工夫を惜しんではいけません。どうしても無理なのは原因が他にある場合で、例えば口が大きく開かないとかラバーダムそのものが耐えられないほど嫌いだとかそんな場合です。

前歯にセラミッククラウンを被せた後に強い痛みがでた

妥協しない治療をしているつもりなので当院では何年保証などとうたってはいません。モノを売っているわけではありませんから。それでも短期間で壊れてしまったクラウンや、被せた後にトラブルがおきてしまったときの対応はします。これは人情です😅 ただし根管治療においては治療の成功を保証しておりません。その旨必ず治療に着手前にお伝えしています。とはいえある程度の結果を出さないとわざわざ自由診療を選択してくれません。

今回のケース。前歯の形を変えたいということでジルコニアクラウンを被せたそうです。たぶん健全歯を削ったのだと思います。その後痛みが出て歯周炎だと言われとりつく島もなく再治療をするならまた治療費が発生すると言われ、我慢していたらその後根の先の辺りが腫れてきたそうです。

診断は簡単。歯髄炎からの歯髄壊死です。根管治療一択です。ジルコニアクラウンを外した方が治療はし易いのですがそれも人情としてしのびなく😅後ろから穴を開けて根管治療を行いました。根充後のレントゲンで根の先にクスリが漏れ出していますがこれはシーラーパフと呼ばれるバイオセラミックシーラーによるものです。バイオセラミックシーラー(MTA)の根管充填はむしろこの方が成功率が高いという報告があります。

長い間の不安と不快から幸運にも二回の通院で解放してあげられたようです。