25年経過したインプラントのリカバリー

他院で埋入したインプラントが緩んでしまったので何とかなりませんか?というご依頼。上部構造(被っている部分)は流石に経年劣化はしていますが、骨は非常に安定した経過をたどっています。理想的には上部構造の作り直しとは思いますが、患者さんはできるものならこのまま使いたいとのご希望でしたのでその方向で進めることになりました。

インプラントのメーカーは50社とか100社とか有ると思いますが、規格がそれぞれ違っていてそのメーカー独自のドライバーとかネジとかが使用されます。これが非常に困る訳でして、せめてネジの頭だけでも揃えてくれよと本当に思うわけです。

とにかく色々な伝手を使ってメーカーを特定して、道具を借りて交換用のスクリューを用意していざ始めたわけですが、緩んでいた間に付着した汚れの除去がすご〜〜く大変で、全く使い慣れていない道具がまた使いづらいったりゃありゃしなくて、とっても苦労したのでした。交換用のスクリューもヘッドの形態が違っていて結局使えませんでした。それでも最終的にはリカバリーできたので今回のミッションは終了です。

で、T.L.インプラント凄いなぁというのが感想です。B.L.でスクリューが緩んで2年も経過していたら何かもっと深刻なトラブルになっていたと思うんですが、T.L.ならこれだけ汚れても感染しようがないのですね。
T.L.というのはティッシュレベル、B.L.というのはボーンレベルのことです。今の主流はB.L.だと思います。興味がある方は調べてみて下さい。