膿が溜まってるから抜くしかないと言われた歯でも残せるかもしれません

https://www.youtube.com/watch?v=YSOumwPXHuQ

なぜかYouTube埋め込みが上手くいかないので当面リンク貼っておきます。

抜歯と言われた歯でも残せることがあります。今回の患者さんは、他院で「抜歯しかない」と言われて来院されました。
レントゲン上では、確かに大きな透過像が確認できます。一般的には、この大きさだけで「もうダメですね」と判断されることも少なくありません。

ここで一番お伝えしたいのは、病変の大きさそのものは、抜歯の理由にはならないということです。重要なのは、なぜ病変ができたのか、その原因が除去できるのか、この2点です。

今回の歯も、既に根管治療は行われていました。しかし感染源が取り切れていない状態でした。こういうケースでは、どれだけ時間が経っても、どれだけ薬を入れても治ることはありません。再治療では、根管内の再評価と見落とされていた部分の処理を丁寧に行いました。特別なことをしたわけではありません。原因を取り除いただけです。

術後3ヶ月で透過像の改善が確認できました。

「大きいからダメ」ではなく、「原因が残っているから治らない」というだけの話です。病変が大きいから抜歯、ではなく、原因が除去できるかどうかで判断すべきだと思います。ただここでちょっと自慢ですが原因の除去は簡単ではないのです。

こういったケースは珍しくありません。抜歯と言われた歯でも、一度原因から見直す価値はあると思います。
※すべての症例で保存できるわけではありません。

やり直してみると、意外と普通に治ることもあります。

MB1・MB2の合流をEMRで確認したケース

今回の記事も生成AIに書いてもらいました。とってもAI臭さが出ていますね。でも優秀です。

上顎第一大臼歯の近心頬側根には、2つの根管(MB1・MB2)が存在することが知られています。しかし、その走行や合流の有無は症例ごとに異なり、術中の判断が重要になります。今回のケースでは、MB1・MB2の両方にファイルを挿入した状態でEMRを用い、両者の電気的な連続性を確認しました。


合流の確認

MB1・MB2それぞれにファイルを挿入し、EMRで測定を行うと、両者が同時にショートを示しました。

これは両根管が根尖付近で合流していることを示唆します。

単にMB2を見つけるだけでなく、

どのように終わっているかを確認することが重要です。


「見つける」から「確かめる」へ

MB2の存在自体は特別なものではありません。

しかし、その走行や合流の有無を曖昧なままにしてしまうと、治療の精度に影響します。

今回のように、意図的にファイルを挿入し、EMRで反応を確認することで、

解剖学的な関係を術中に“証明する”ことができます。

これは視覚だけでは得られない情報です。


日常の中の判断

こうした確認は特別な操作ではなく、日常の臨床の中にあります。

ただし、それを行うかどうかは術者の判断に委ねられています。

見えているものだけで進めるのか、

それとも一歩踏み込んで確かめるのか。

その違いは小さなものかもしれませんが、

治療の積み重ねの中では決して小さくありません。


まとめ

  • 上顎第一大臼歯ではMB1・MB2の存在とその関係を常に考える

  • 合流の有無は術中に確認することができる

  • EMRはその確認手段の一つとして有効

 

クラックトゥースシンドローム

神経のある歯のヒビ。クラックです。症状のないクラックは実は沢山あります。とくに顕微鏡下での治療ですと頻繁に出くわします。隣接面のむし歯にはほぼ確実に存在します。私は症状が無ければ治療することはありません。むし歯の場合は勿論別です。

問題は症状のあるクラックのある歯です。症状は多様に発現するのでクラックトゥースシンドローム(Cracked Tooth Syndrome)と呼ばれます。歯に微細な亀裂(クラック)が入ることで、咬合時の痛みや違和感を引き起こす疾患です。見た目には分かりにくいことが多く、診断が難しいケースも少なくありません。

特徴的なのは「噛んだとき」や「噛むのを緩めたとき」に生じる鋭い痛みです。特に硬いものを噛んだ際に症状が出やすく、患者さんは「特定の場所でだけ痛む」と表現することが多いです。ここで重要なのがリバウンドペインです。
これは「噛み込んだとき」よりも、力を抜いた瞬間に鋭い痛みが走る現象を指します。クラックが入った歯では、咬合圧によって亀裂がわずかに開き、力を抜いた瞬間に歯が元の形に戻る過程で内部の圧変化が生じます。この圧変化により象牙質や歯髄が刺激され、鋭い痛みとして認識されます。また、冷たいものがしみるなどの知覚過敏様の症状を伴うこともあります。

クラックは肉眼では確認できないことが多く、レントゲンにも写らない場合がほとんどです。そのため、問診と症状の再現が非常に重要になります。マイクロスコープも診断には有効な武器になります。

特に以下の所見は診断のヒントになります。
• 咬合時痛よりもリバウンドペインが強い
• 咬合テスト(Tooth Sloothなど)で特定の咬頭に限局した痛み
• 冷水痛の再現

これらを組み合わせて総合的に判断します。これをそのまま放置すると歯髄炎に移行して神経を抜くことが必要になったり最悪の場合歯が完全に割れて抜歯するしかなくなってしまうこともあります。