フルジルコニアクラウン(モノリシックジルコニア)

ちょっと古い画像ですが、フルジルコニアクラウン(モノリシックジルコニア)です。透明感などの点でまだまだ審美的だとは言えません。

これはブリッジですが、二層になっているのが解ると思います。中身はジルコニアでその上にセラミックを焼成しています。これは審美的に優れた方法です。

ではフルジルコニアの出番はどんな時かというと、従来のセラミックでは破折の危険が高い場合です。いちばん上の写真は5年ほど前のものですが、最近はマルチレイヤーというマテリアルがあって、幾分改善されました。

大臼歯ならそれ程シビアな色調は要求されないことが多いですから、患者さんの了承が得られれば適応可能です。

前歯のメタルボンドブリッジ(その2)

この症例をセットしました。
真ん中のブラックトライアングルを消すことも可能ですが、仮歯の段階で必要が無いと判断しました(見えない)。時間が経てば消えることもあります。

4ヶ月後の追記:かなり消えつつあります。こちらです。

きちんとステップを踏んで治療を進めると、殆ど無調整でセットできます。仮歯を外して歯面を処理してセットしてセメント除去までで30分でした。
元の自分の歯のようだと喜んで頂くのは、術者としては嬉しいものです。期待以上の結果を出すのが目標で、患者さんに鏡を渡して見て貰う時の私はドヤ顔になってると思います。特に前歯部の補綴は患者さんとの勝負です(笑)。

 

 

 

メタルボンドブリッジ(3 Incisor)

術前。左上2番の先天欠損と右上3番の欠損で、右上はブリッジが入っています。
前歯を綺麗にしたいというご希望です。

画像を加工して患者さんにイメージをつかんで頂きます。

通常犬歯と犬歯の間には4本の歯があるわけですが、ここに3本しかないために隙間ができています。少しずつ歯を大きくしてスペースを埋めます。上のシミュレーションの画像のようにダイレクトボンディングで治療することは可能ですが、はたしてこれが患者さんが望むカタチなのかどうかが問題です。この画像をお見せして考えて頂いた結果、患者さんは右上のブリッジまでやり直してメタルボンドで補綴するという方法を選択しました。ただし、2ヶ所の隙間を埋めるためにブリッジを再製し4本の歯を削るわけですから(そのうち2本は手付かずの歯です)、デメリットも十分説明し患者さんの意思決定をミスリードしないようにしなければなりません。当然デメリットがメリットを大きく上回る場合は希望されてもお断りします。
因みに下の前歯が重なって生えている場合に、1本抜いて矯正で並べる方法があるのですが、これをスリーインサイザー(3 Incisor)と言います。

仮歯を入れて患者さんの希望を聞き、試行錯誤で形態を決めていきます。その形をコピーして最終補綴物を作るわけです。唇との調和などは技工所では知り得ない情報ですから、仮歯の情報は貴重なのです。型を採った後は技工士さんの技術です。技工士さんの技術を引き出すためには精密な印象を渡さなければなりません。

セット直後。

 

約4年経過。犬歯の先が少し摩耗、あるいはチップしていますが全体として安定しています。おそらくメリットがデメリットを上回っていると思われます。