カテゴリー: 日々の臨床

転んで欠けてしまったそうです。むし歯ではありませんから、ほとんど削らないで治しました。

  

小臼歯に保険で白い歯を被せることが可能になりましたが、当院のCEREC3は保険に対応しておりません。従いまして、当院では保険の小臼歯のクラウンは、銀歯しかありません。技工所と契約して外注ということも認められていますが、そのような提携技工所を持っていません。
ただし、ブリッジになる場合は、小臼歯にも白い歯が認められました。これは当院でも可能です。CAD/CAM冠ではありませんから。

CAD/CAMが、まるで魔法のように精密な技工物を作ってくれると思うのは、大きな間違いです。スキャナが正確にスキャンできるような形に歯を削る必要があります。ミリングマシンがエラーをしないような形態があります。人間の技工士さんのように、エラーをカバーしてくれません。そういったことをクリアした上で、今度はマシンの操作にコツがあります。そして接着操作は非常にセンシティブです。
「保険の白いCAD/CAM冠」のマテリアルは、ハイブリッドセラミックという名のプラスティックです。最近の材料は進化しているそうですが、私は先入観があって、いっさい使っていません。

これは当院のCAD/CAM冠。この位フィットしますが、時間も頭も使います。
マテリアルはリューサイト系ガラスセラミックス。

時間を掛けられない保険の治療においては、通常の印象からロストワックスで鋳造冠を作る方が、ずっと確実だと思っています。

う蝕治療ガイドライン。
歯科商業誌なんかより、ずっと価値がある内容が無料公開です。