根管内破折器具除去(その3)

除去しました。

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使った器材は消耗品が7〜8万円。ループデバイスだけで2万円です。使い捨てではありませんが数回の使用しかできません。
マイクロスコープやCTがなければできない治療です。ですがマイクロスコープを使ってもCTを撮影しても保険点数はありません。
ラバーダムは何年か前に保険点数が無くなりました。動画に写っている歯の周りの白い物はオラシールという唾液の滲入をふさぐパテですが、勿論こんなものは保険で評価はされません。完全に消耗品です。隔壁に使用するコンポジットレジンは充填に使用するより遥かに大量に消費します。高価ですが保険請求はできません。麻酔も無料です。
私の手が遅いのも悪いのですが、除去に至るまで1回1時間のアポイントが3回です。純粋にファイルの除去に費やした時間は90分程度です。
保険での根管内異物除去の評価は1500円。3割負担ならお支払いは450円です。根管治療は2回目からは200円くらいです(正確な金額ではないかも知れません)。1時間私とアシスタントの二人がつきっきりで治療して200円です。
ですので当院では保険でこの治療はやれません。保険外です。ボランティアの楽しさは震災後にたくさん経験しましたが、これは生業です。時には採算を度外視して治療をすることもありますが、それは継続的ではありません。期待されて来院された方をお断りするのはお気の毒ですので、冷たいようですが明記しておきます。
根管治療を保険外で行って、被せるのは保険というのは混合診療になるので治療の全てが保険外自由診療になります。
歯科医師の先生からの除去のご依頼も承ります。その場合はエンドのみの治療をさせていただきます。

続きます

術前

術後

除去したファイル

歯牙破折

歯牙破折を発見するのは日常茶飯事です。拡大鏡を使用するとなおさらです。
歯の治療は歯の上の部分、つまり歯肉から離れているほど容易です。
歯肉の下になってしまうと反対に難易度は上がります。
骨の下になれば更に困難になります。
破折は多くの場合縦方向に起きます。歯肉の下に破折線が延びます。
どこまで折れているのかを確認する有効な手段はありません。


あきらかに破折しています。しかし無症状。
このガイドラインに則った治療をします。