総義歯(その3)

ハノーというメーカーの咬合器です。ここに模型をセットして義歯を作るのです。咬合器に模型をセットする際に患者さんの顎関節との関係を再現するのに使われるのがフェイスボウという器具です。この写真は咬合器にフェイスボウを組み合わせた状態です。

ハノーH2 30年使ってますが、なんて格好いいんでしょう! 機能美ここに極まれり!
と、今回はそれが書きたかっただけです(笑)。

総義歯(その1)

総義歯(その2)

 

歯肉圧排 印象

マイクロスコープ下での歯肉圧排です。紫の糸の下にもう1本細い糸が入っています。

シリコン印象。上顎前歯は最も印象がしやすい部位です。アルギン酸と寒天印象でも寸法変化の差は大したことは無いと云う人も居ますが、圧排を必要とする印象にはシリコン一択です。寒天は細部は千切れてしまいます。

このように綺麗な印象が採れました。

 

図説してありますので当院ホームページのここをご覧下さい。

破折ファイル(その1)

何ヶ月も治療に通っているのに痛みが止まらず来院された患者さんの下顎6番のケースです。

レントゲンを撮ると近心根に破折ファイルがあります。CTを撮影しました。ファイルの破折は医療ミスではありません。細心の注意を払っても起きうる事故です。ゼロにはできません。

抜歯の選択も含めて状況を説明したところ、根管治療を希望されたので着手しました。

ファイルは上の写真の二つ縦に並んでいる上側の根管の中にあります。ところが下に写っている根管に肉芽が見えました。赤いものが見えています。

根尖が破壊されており出血してきます。痛みの原因はこの根管のような気がします。だとしたらわざわざ破折ファイルを除去する必要は無いので、まずはこの根管をターゲットに治療することにしました。症状の消失が無ければ改めてファイルの除去をすることにします。

ファイルを除去せずに治療成果が出た場合の患者利益は二つあります。
一つ目は根管の削除を少なくできることです。除去の難易度はファイルが見えるか見えないかで大きく変わります。このケースでは根管を削除して可視化する必要があるのである程度の削除量は必要です。可視化できない破折ファイルは私には除去不能だと思います(未経験)。
そして二つ目は治療費を抑えることができるということです。といっても保険治療と比較すればずっと高額ですが当院では破折ファイルの除去は5万円をチャージしますのでその分のご負担は減るわけです。

結局このケースではファイルの除去を行うことになりましたが、その様子はまた後日アップします。

破折ファイル(その2)