シリコンテープとトッフルマイヤーリテーナーを用いてレジンコーティング

この位削ってしまってもダイレクトボンディングは可能ですが、カリエスリスクの高い方(むし歯がいっぱいできている方)の場合は全体を被せてしまった方が長持ちすることもあると思います。このケースでも大きなむし歯が多くの歯にできていて、どの治し方を選ぶべきか悩みます。

この動画はむし歯を削り取ってコンポジットレジンで充填していますが、この後クラウンを被せる予定です。最終的な治療ではないのでリテーナーのフィットも完璧ではありませんが、削り直すときに修正します。むし歯を削り残すのは禁忌ですからシリコンテープで明視化したり、レジンを詰める際に水分が入ると接着しませんからラバーダムを掛けています。

25年経過したインプラントのリカバリー

他院で埋入したインプラントが緩んでしまったので何とかなりませんか?というご依頼。上部構造(被っている部分)は流石に経年劣化はしていますが、骨は非常に安定した経過をたどっています。理想的には上部構造の作り直しとは思いますが、患者さんはできるものならこのまま使いたいとのご希望でしたのでその方向で進めることになりました。

インプラントのメーカーは50社とか100社とか有ると思いますが、規格がそれぞれ違っていてそのメーカー独自のドライバーとかネジとかが使用されます。これが非常に困る訳でして、せめてネジの頭だけでも揃えてくれよと本当に思うわけです。

とにかく色々な伝手を使ってメーカーを特定して、道具を借りて交換用のスクリューを用意していざ始めたわけですが、緩んでいた間に付着した汚れの除去がすご〜〜く大変で、全く使い慣れていない道具がまた使いづらいったりゃありゃしなくて、とっても苦労したのでした。交換用のスクリューもヘッドの形態が違っていて結局使えませんでした。それでも最終的にはリカバリーできたので今回のミッションは終了です。

で、T.L.インプラント凄いなぁというのが感想です。B.L.でスクリューが緩んで2年も経過していたら何かもっと深刻なトラブルになっていたと思うんですが、T.L.ならこれだけ汚れても感染しようがないのですね。
T.L.というのはティッシュレベル、B.L.というのはボーンレベルのことです。今の主流はB.L.だと思います。興味がある方は調べてみて下さい。

白い詰め物と接着剤(セメント)

セラミックインレイなどの白い詰め物は殆どの場合レジンセメントという接着剤で装着されます。レジンセメントはコンポジットレジンのような物なので堅くて歯に接着します。したがってはみ出したセメントを完全に除去するのは大変難しく、その色は歯に似ているのでさらに困難さを増します。明るい拡大下で無ければ無理なんじゃないかとさえ思います。

書きたいことは山ほどあれどじっと堪えてここは口をつぐみます。動画は全編早送りですが実際の治療時間は100分以上掛かっています。