XP-Endo finisher

引き出しの中を整理していたら、こんなのが出てきました。発売と同時に購入して数回使用して(正確には使用しようとして)眠っていました。

XP-Endo finisherという根管内を綺麗にする回転器具です。切削用ではありません。こんなケースに入っています。形状記憶合金です。
似たような形状で拡大切削用もあるのですが、日本で発売されているかどうかは未確認。確かストレートのニッケルチタンファイルよりも根管壁への接触は有意に大きいという報告をどこかで読んだような記憶があります。

 

ケースから出した状態です。これで新品未使用です。

 

ちょっと説明が難しいので、下の動画をご覧になってみて下さい。

 

冷たい状態では真っ直ぐなんですが、体温程度でこの曲がった形状に戻ります。私は割とどんな道具もそれなりに使えるつもりですが、これにはめげました。グニャグニャに柔らかくて、しかも曲がっているので、根管の中に入れるのがものすごく大変なのです。冷却して直線にして入れようとしても、いざ口の中に入れるとどんどん曲がっていってしまいます。私にとってはある程度の太さを持った根管で使用する器具です。というか、せっかく高いのに買ったんだから一度根管の中で回してみたい。

 

 

 

マイクロエンドサージェリー(動画・早送り)

マイクロエンドサージェリーに使用する道具です。左の孫の手のようなのはリトラクターといいます。動画を見て頂ければ使い方が解ると思いますが、これは大事な器具です。粘膜を押さえながらマイクロスコープの視野を遮らないというリトラクターは、実はあまりありません。まん中辺りのタービンは外科用なのですがヘッドの角度が違うだけではなく、冷却注水の仕方も異なっています。その隣の黒い棒はMTAブロックというもの。その隣はマイクロシザースと受針器。ハサミと縫合する針を掴む道具です。カストロビージョ型といいます。通常の器具は腕や手首で操作しますが、マイクロ器具は指で操作します。大きな動きは顕微鏡の視野から外れてしまいます。タービンの右隣はマイクロミラーです。幅が3ミリ程度で曲げて使うことが可能です。嚢胞腔に挿入して根尖を見るためです。

歯科治療において道具は重要です。道具があっても技術がなければどうしようもないのですが、包丁がなければ料理はできません。弘法筆を選ばずは通用しないのです。

このケースは上顎左2番。
通常の根管治療後3ヶ月ですが、サイナストラクトが消えません。

 

動画は切開も出血も映っています。嫌いな方もいらっしゃるでしょうからここでの表示は控えます。ご覧になりたい方はこちらでどうぞ