黒くなった神経の無い歯の漂白

神経の無い歯の漂白は所謂ホワイトニングではありません。ウオーキングブリーチという方法で脱色します。難しい処置ではありませんが着手前に「H2O2は使用しますか?」と主治医に訊いてください。使うならやめた方が良いです。歯を失うリスクがあります。

術前です。

術後。

そもそもちゃんとした根管治療をすればほとんど変色はしません。

ウオーキングブリーチとダイレクトボンディング

神経を抜いて変色した歯を白くするウオーキングブリーチ。所謂ホワイトニングではありません。難しい処置ではありませんが誤った薬剤を使うと根が溶けてしまうことがありますから注意が必要です。

変色の原因は大抵は中に神経の死骸が残っていたり血液をよく洗い流さなかったりとかに依るものです。

ウオーキングブリーチ(変色歯の漂白)

ずいぶん前にぶつけて神経が死んでしまってその後だんだん色が変わってしまったというケースです。こういう場合は安易にセラミックで被せるという治療法を選んでしまうのはお奨めしません。神経の治療をした際に裏から開けた穴から再度アプローチし漂白を行います。これをウオーキングブリーチといいます。ホワイトニングとは全く違う方法です。下の画像は一週間ごとの変化です。一枚目が着手前ですから3週間でここまで回復したわけです。

大事なのは漂白の際に従来使われていた過酸化水素水を使わないことです。これを使うと歯根が溶けてなくなってしまう可能性があります。何年か前にShimon Friedman先生の講義で教わりました。ウオーキングブリーチでネットで検索すると残念ながら今でも間違った方法が書かれていることが多いです。

まず裏側に詰めてあるレジンを除去します。これが苦労します。歯とレジンの境界が解りづらいからです。レジンを取り切らないと薬効が期待できませんからこれは重要です。下図の黒い部分にレジンが詰まっていましたが、本来ならこの半分以下の削除で神経の治療は可能です。こういった見えない部分が歯の寿命を左右します。

動画です。内部のセメントや取り残した歯髄、そして充填物を確実に取り切ることが大事です。そしてくどいようですが過酸化水素水を使わないことです。