レリーズ

マイクロスコープにマウントしたCMOSカメラのシャッターレリーズをハンドルに設置してみました。自作です。グリーンのボタンがそれです。

長くマイクロスコープを使用していると、ハンドルとかフォーカスとか光量調整ダイヤルなどの位置は記憶されているので、レンズを覗いたままで操作することができるようになります。基準点は眼の位置です。

ところがフットスイッチはそうはいかないのです。一度位置を確認して足を乗せなければなりません。どうでも良いようなことと思われるでしょうが、これが結構面倒なのです。レリーズがフットスイッチなのです。

これは良いアイディアだろうと思ったのですが、押すと手ぶれします。考えてみればあたりまえでした。手振れを防ぐためにカメラから離れたところで操作するのがレリーズなのですから。

タッチセンサーのスイッチなら大丈夫かな? そんなことよりフットスイッチの位置を固定した方が良いのかな?

ネット上でマイクロスコープで撮影した写真をいろいろ見ることができますが、なかなか綺麗な画像は見つかりません。上の画像は下顎大臼歯近心根が3本見えます。これでも良い方ですが実際には遥かに綺麗に見えています。動画の方が撮影は簡単です。さらなる投資をすれば向上するとは思っているのですが、治療の質には全く関係ないので顕微鏡の周辺機器のアップグレードはこれで終わりにします。

追記
露出をオートにしておいてキセノンライトで視野を目一杯明るくすると、シャッタースピードをかなり稼げることがわかりました。これで手ぶれをかなり回避できそうです。ハロゲンにはできない技で嬉しい。

 

イニシャルエンド

歯髄炎の下顎の6番の抜髄根充。
通常は大臼歯の根管治療の回数は2回です。
未処置の根管は素直です。とはいえ、近心根の穿通は08が必要でした。

 

 

 

自作マイクロスコープ用ミラー

最近こんなデンタルミラーがあることを知りました。
Yirro-plus self cleaning dental mirror systemというそうです。

 

 

ここからは自慢話です。
実はマイクロスコープ導入時にミラーの水滴をエアーで吹き飛ばす方法を考えて、10年以上前に自作していました。その頃申請すれば特許取れたのかしら?

公開します。

ミラーホルダーに穴を開けて、真鍮のパイプをロウ着します。ハンダ付けでも大丈夫です。写真を見れば一目瞭然でしょうが、ここからエアーを吹き出してミラー表面の水滴を吹き飛ばすのです。出口は少し潰して平らになるようにします。上手くエアーがミラー表面に当たるように後から角度を調整します。

 

こんな感じにハンダ付けします。

 

ハンドルの後端にも穴を開けます。ここにシリコンチューブを繋ぎます。ユニットにきているエアーを取り出して、ここに繋ぐわけです。

モリタのユニットだとこんなのが使えました。ここはなんでも良いのです。要するにコンプレッサーのエアーを取り出せれば良いのです。

エアーは出しっぱなしだとシューシュー煩いですし、エアーを止めてミラー像を見る場合も当然ありますから、簡単にオンオフができないと困ります。電磁弁というものを使います。

電磁弁は通電の有無で弁を開け閉めする機器です。通電のオンオフはこれもなんでも良いのですが、私はフットスイッチを使いました。顕微鏡治療はなるべく両手と頭を動かしたくないので、足で操作できるのは便利です。音声認識ができたらなお便利だと思います。

 

これの右に写っているのがフットスイッチです。これはオルタネイトのタイプですが、必要な時だけシューっとやるならモメンタリーのスイッチも良いかも知れません。因みにこの写真の左のペダルは超音波器具のスイッチです。エンドでの使用には注水のオンオフが頻繁に必要ですので、やはり電磁弁で制御しています。

さて、電磁弁はオンオフはできますがボリュームの調整はできません。エアーが強すぎるので減弱しておく必要があります。調整幅も必要です。

これはアクアリウムに使用するエアーバルブです。このネジで流量を調整することができます。一度調整してしまえば殆ど触ることはありません。ですからユニットの下に隠れていても問題ありません。

青いチューブがコンプレッサー側で、この下の出口にチューブを繋いでミラーに繋ぎます。青いチューブは耐圧チューブです。このバルブは繋げることができるチューブの規格が決まっています。シリコンチューブを繋ぐことができたかは忘れました。たぶん規格が合えば大丈夫なはずです。バルブの下流は圧は強くないので、耐圧チューブである必要はありませんから。耐圧チューブは硬いので、ミラーに直接繋ぐとミラーが動かしづらくなるので使い物になりません。

電磁弁は3000円程度。エアーバルブは500円位かな? 安価に自作可能です。でも現在は全く使用していません。優秀なアシスタントワークと的確なミラーポジションで殆ど不自由を感じることは無いからです。

使ってないから良いのですが、薬事法の問題はあるかもしれません。
超音波スケーラに繋げている電磁弁は、本体の上流側で水のオンオフを制御しているだけですので薬事は関係ないと思います。ただの蛇口ですから。

で、特許申請しておいたら今頃左団扇だったんでしょうか?