外科的歯内療法のメリット

  
術中         根充後       2年後

通常の根管治療です。画像をクリックすると拡大します。なんとか治ってきているようにも見えます。不快症状やサイナストラクトはありません。ダメだったら切りましょうと説明はしてありましたが、やらないで済むに超したことはありません。外科的歯内療法は最終手段として取っておきます。その次は抜歯しか無いわけですから。

通常の感染根管治療は補綴物を外し、コアを除去し、根管内にアクセスするわけですが、そうするとまた補綴物を作り直すことになり治療費は跳ね上がります。単独冠ならまだしも、ブリッジに組み込まれた歯の場合には全てをやり直すことになってしまいます。

外科的歯内療法(エンドサージェリー)は補綴物を外さなくても治療介入できるというのもメリットのひとつです。

 

 

 

マイクロエンドサージェリー(動画・早送り)

マイクロエンドサージェリーに使用する道具です。左の孫の手のようなのはリトラクターといいます。動画を見て頂ければ使い方が解ると思いますが、これは大事な器具です。粘膜を押さえながらマイクロスコープの視野を遮らないというリトラクターは、実はあまりありません。まん中辺りのタービンは外科用なのですがヘッドの角度が違うだけではなく、冷却注水の仕方も異なっています。その隣の黒い棒はMTAブロックというもの。その隣はマイクロシザースと受針器。ハサミと縫合する針を掴む道具です。カストロビージョ型といいます。通常の器具は腕や手首で操作しますが、マイクロ器具は指で操作します。大きな動きは顕微鏡の視野から外れてしまいます。タービンの右隣はマイクロミラーです。幅が3ミリ程度で曲げて使うことが可能です。嚢胞腔に挿入して根尖を見るためです。

歯科治療において道具は重要です。道具があっても技術がなければどうしようもないのですが、包丁がなければ料理はできません。弘法筆を選ばずは通用しないのです。

このケースは上顎左2番。
通常の根管治療後3ヶ月ですが、サイナストラクトが消えません。

 

動画は切開も出血も映っています。嫌いな方もいらっしゃるでしょうからここでの表示は控えます。ご覧になりたい方はこちらでどうぞ