マイクロスコープの映像記録


この部屋のモニターが増え続けてとうとう5枚になりました。陰になって見えませんが滅多に使わないiPadもあります。

 


その1
レントゲン関係のモニタ

 


その2と3
患者さんの写真や説明用の画像を表示するモニタ。これがミラーリングで2枚あります。マイクロスコープの映像もここで表示されます。

 


その4
セレック

 


その5
治療費見積もり、紹介状、音楽再生、その他諸々のデータ用。

院内全体だと11枚のモニタ、10台のPC。

 


これがマイクロスコープの映像ですが、ここひと月ほど稼動していません。映像記録システムを刷新しているのですが、肝心のマイクロスコープの画像をカメラに渡すパーツが日本のディーラーに在庫がなく、本国から取り寄せ待ちで、早くても7月末になりそうです。ですのでそれまではマイクロスコープの映像をお見せすることができません。私だけ見えています。

ところで、「私だけ見えている」ということは客観的に治療を評価されないということですから、極端なことを言えば、下手でも誰にも解らないということです。なお、根充後のレントゲン写真はあまり意味を持ちません。根管治療は予後を保証しませんから(つまり治らなくても治療費が発生する。通常医療行為はそういうものです。)、技術を伴わない顕微鏡治療で高額な治療費だけ請求するということもあり得るのです。それを防ぐための資料として最適なのは、実際の治療の映像です。映像なら第三者に開示することも可能です。

と、最近思うようになったので(^^;)、これを機会にこれからはちゃんと整理してマイクロスコープの映像を保存することにします。今までの記録はデータとして使用できるように処理はしてなかったのです。編集しなければ動画は1本数ギガ程度になりますから、その中身を見てデータベース化するなんて今更もう無理です。

今後は患者さんのご希望があれば治療映像をお渡ししようかと考えています。事前にお申し出下さい。それなりに見やすい映像記録を意識します。8月以降には可能になると思います。ただし見てもたぶん退屈なだけです。著作権は放棄しません。なお、これは保険外自由診療です。

さて、上の画像は10年ほど前のものです。光学系(レンズなど)はその頃から充分な性能があったのですが、それを映像記録として処理する能力は今とは雲泥の差でした。当初はSビデオ出力でHDレコーダーに録画して、それをDVDに焼いて、それをリッピングしてPCで編集可能なデータにしていました。とても遠回りです。時間も掛かるし面倒なのでその後ADコンバーターで変換してダイレクトにPC取り込むようにしましたが、綺麗とはとてもいえない映像でした。それが今やフルハイビジョンの画質が民生機で簡単に手に入る時代ですから、たった10年で隔世の感があります。たぶんここは更に進歩していくでしょう。今回導入する映像記録システムはメーカーでセット売りされているものではなく、私が自力で組むシステムなので、実際に動かしてみないとどうなるか解らないのですが、思惑通りにいけば下のレベルの画像が手に入ります。実はセット売りのものは、友人のユーザーのオフィスを訪問して実際に見せてもらったのですが、値段に見合った画像とはどうしても思えなかったので却下しました。データの整理には適しているようでしたが、その辺は自力で解決できるはずです。

 

この画像は生のデータではなく、圧縮縮小してあります。画像をクリックすると、低画質ですが拡大されます。導入するカメラメーカーからお借りしたサンプル画像です。最高解像度4608×3456です。これならクラックも鮮明に写しだしてくれるのではないかと期待しています。

 

ZEISSの新型マイクロスコープ EXTARO 300

当院のマイクロスコープは10年以上の使用で画像記録の内蔵のCCDカメラのセンサーが経年劣化してきました。購入当初の画像と見比べると一目瞭然です。レンズを直接見ている私には何の問題もないのですが、アシスタントが見ているモニターの映像(それをみながらアシスタント作業を行います)が不鮮明なのと、患者さんに説明する時に全く用を足さなくなってきているのと、医院の広報のためのホームページの画像や動画が不鮮明でもどかしいのです。マイクロスコープは基本的にはランニングコストが掛かりません。照明のランプが切れるくらいです。一度アームの油圧ダンパーをオイル漏れで交換しましたが、酷使していますから納得しています。大きな金額ではありません。しかしCCDセンサーが劣化するというのは盲点でした。センサーを新品に交換できれば良いのですが、もう古いのでディスコンだそうです。ここは後になっても交換可能な外付けを選んでおくのが正しかったようです。オプションの後付けは高価で無駄も出ます。

というわけで、マイクロスコープの改造を思案中なのですが、ツアイス本国のホームページを見ていたら新しい機種が出ていました。輸入元の担当の方の話では、8月頃日本でも発売予定のようです(未確認)。


ZEISS EXTARO 300

ライトとビデオ関連でマイナーチェンジはありましたが、新型は出ていなかったツアイスの歯科用マイクロスコープ。改造にも結構な投資が必要ですからどうせならこの際新機種を・・・ とは微塵も思いません。たぶん光学系はそんなに変化していないと思いますからそれほど魅力的に見えないのと、何よりかなり高価なのです。フルオプションで1000万位でしょうか(これも未確認)。
マイクロスコープを導入した当時は今のように機種が豊富ではありませんでしたから、顕微鏡学会などでおそらく全てのマイクロスコープを実際に見てツアイスを選びました。ツアイスはライトを消しても見えます。レンズが明るいのです。他機種では裸眼より見えづらいのもありました。そういうのは盆栽のように飾っておく物なのでしょう。オブジェとしての存在感はなかなかのものがありますから。

ルーペもツアイスです。これは他のメーカーから買い換えました。少し重いだけが欠点で、ツアイスがあらゆる面で優っています。ただ、ツアイスはあまり高倍率のルーペはありません。マイクロスコープを持っているメーカーには高倍率のルーペは必要無いのでしょう。

   
左が古い方で、右がツアイス。ツアイスにライトを移植しました。ライトは絶対に必要です。いちばん上の写真のまん中に写っているのは外科用の無影灯ですが、ルーペにライトをセットしてからはほぼ出番はなくなりました。本当はスルーザレンズといって、拡大鏡部分がメガネのレンズに直接付いていている方が視野が広くなって有利なのですが、そうすると視力の変化に伴うメガネのレンズ交換が難しくなるのと、跳ね上げられなくなるのでマイクロスコープ使用時に一々メガネごと外さなければならなくなるので、こちらを使っています。最強はヘッドマウントという、帽子のようなもので頭部に固定する方式です。要するに接眼レンズが眼に近いほど光学的に有利というわけです。

最近誰に向かって書いているのかわからなくなってきました(笑)。患者さんがこんな顕微鏡ヲタクの自慢話に興味があるとは思えません。でもここはあくまでも集患目的の医院宣伝ホームページなのです。

 

リクッチのエンドドントロジー

最近まめにブログを更新しています。そろそろ飽きてくる頃です。今回は歯科医師向けです。

人目に触れるところですので、それなりに間違いの無いように気を使って書くようにしています。とくに歯内療法関連で書くことが多いので、目に付く書籍はできる限り購入して読むようにしています。商業誌はそろそろ定期購入はやめようかと思案中。殆ど読み飛ばしているので30分程度で読了してしまいます。お金ももったいないし、ゴミの処分が大変です。以前処分したら数百キロありました。

今年の春、この本が出ました。テクニック的なことは殆ど書かれていません。器材に至っては一切書かれていません。ですから、治療技術の向上に役立つかといえばそれはありません。でもその類の本は数多あります。これは技術書ではありません。「確固たる生物学的基盤に基づいた臨床歯内療法のアトラスでもあり教科書でもある」と序文にも書かれています。

私が染色するのはブラッシング指導の際のプラーク染め出しと、むし歯の染色と、歯の破折線を見やすくするメチレンブルー染色と、白髪染めだけですが(^^;)、この本はリクッチ先生の切片標本の染色の美しさを見るだけで価値があります。


リクッチのエンドドントロジー