隣接歯が無い場合の大臼歯近心面の治療

隣の歯がなければ治療はずっと簡単で確実です。この動画ではほとんどミラーテクニックを使っていません。奥歯の治療では水がかからない位置にミラーを置いたり、アシスタントが水を吸うバキュームを入れるスペースを確保できないことがあります。そういった面倒が無い直視ができればこんなに良いことことはありません。

手前に歯があれば当然ミラーを使わずに見ることはできませんから、こんな治療ができる機会は滅多にないのです。

金属の詰め物を白く

インレー(金属の詰め物)をコンポジットレジンで詰め替えるのは、それが上の動画のように隣接面(歯と歯の間)にまたがっている場合は難しい治療になります。インレーは型を採るための削り方をされているので(隣接面を大きく削り取っています)その形を元の形に回復するのが難しいのです。

この歯は歯の根元のレジンも同時に治療しました。基本的にはラバーダム下で行っていますが、この部分は形態的にラバーダムを掛けるのが難しく行っていません。

因みに上のサムネイルの画像は何故かクロップされていますがTriosでスキャンしたものです。治療の説明に口腔内スキャナーはとても便利です。

透照診

歯と歯の間のむし歯は発見が難しいことがあります。レントゲンには写らないこともあります。そんなときにはこの透照診という方法が有効な場合があります。他に歯のヒビを発見するのにも有効です。ただの明るい細いライトなのですから代替品もありそうですが、これは薬機法を通った歴とした専用器具です。ビックリな価格の上にむし歯じゃないという診断に保険点数はたぶんありませんから、物好きな歯医者しか持っていません(笑)。

下の動画だとハレーションが起きてしまって良く解らないと思います。カメラの露出はオートなのですが、キセノンライトの下で細い明るいライトを使いピンポイントを照らして透過光に陰影を探すという特殊な環境に対応しろというのは無理がありますね(汗)。かといって顕微鏡下の撮影で露出マニュアルはちょっと現実的ではないのです。