セミナー

今日は上野でダイレクトボンディングのハンズオンでした。そうだろうとは思っていましたが今日も最年長でした。というか受講者の平均臨床経験の三倍強でした。アウェイ感を拭えませんでした(汗)。

ラバーウエッジを使ったダイレクトボンディング

レジン修復はある意味根管治療よりも難しいです。

ラバーダムも修復部位によっては装着できないことがあります。治療中に歯肉からの出血があるとアウトです。ミラーをクリーンな状態でキープするアシスタントワークもとても重要です。バキュームチップ(水を吸う管)の角度とポジションが的確じゃないとミラーが水浸しになって全く見えません。動画には切削しているところも写っていますがミラー像が綺麗なのが解ると思います。

ダイレクトボンディングは非常にテクニックセンシティブ(術者の技術レベルによって差が出る)な治療なのです。保険で平均的な治療結果を得るならばメタルインレーが優っていると思います。しかしダイレクトボンディングの方が歯を削る量が圧倒的に少ない場合が多いので、私はインレーを選択することはあまりありません。メタルにするならゴールドが良いです。

このケースで治療時間は70分程度でした。

上顎7番ダイレクトボンディング

上顎7番頰側の深いむし歯です。

歯肉を電気メスで切除してむし歯を削り取ります。中央のピンクに見えているのは歯髄の色が透けている所です。

なんとかむし歯を取り切ってコンポジットレジンで充填しました。色が合っていませんが故意にそうしています。境界が見やすい方が研磨がしやすいからです。こんな部位で審美性なんてナンセンスです。

尚、写真は全てミラー像です。直視では殆ど見えません。このような深いむし歯の治療は事前に神経を抜く可能性を説明して着手しなければなりません。インフォームドコンセント(説明と同意)などという以前に人としてのマナーです。
というわけで治療途中にもマイクロスコープの映像をお見せして処置を進めていましたが、もうお互いに信頼関係ができている患者さんですので、治療中に何度か寝てました(笑)。