このレントゲンからは歯髄壊死の原因が解りませんでした。ただ確実に歯髄は死んでいます。おそらくクラックによるものだと思って治療を始めました。インレイを外すと丁寧な処置がされています。慎重に裏装材を剥がしていくとポコンと穴が開きました。中は空っぽです。前医は露髄に気づかず修復を進めた結果歯髄壊死に陥ったのだと思われます。不顕性露髄です。ピンポイントの露髄に気づかないのはある意味仕方が無いことでもあります。でも本当に丁寧な処置でした。
垂直性歯根破折ケースの約1年経過
垂直性歯根破折ケースの約1年経過です。
機能的にも審美的(?)にも問題無く経過しています。
苦労してメタルコアを外したらパーフォレーション出現
メタルコアを外すのは専用の超音波チップを使えば比較的容易なのですが、何故か今回はとても苦労しました。除去の際に重要なのは歯を削らないことです。選択的にコア材だけを削ります。バー(ドリル)の刃を常に見ていないとそれはできません。
かなり削り込んで最終的には超音波で外せました。外したらパーフォレーション出現2カ所出現です。そんなところを削っちゃダメなんだってば❗❗と、苦労しただけにイラッとします。再治療は大抵そうです。パーフォレーションは治療可能ですが削りすぎた歯の強度を取り戻すことはできません。神経を抜くと歯の強度が落ちると言われますが実はそんなことはありません。不用意に削るからです。完璧な治療なんて誰もできないんだからせめてなるべく侵襲は小さくしよう。恐れを持って治療に臨もう。と、思った死ぬほど暑い夏の日の午後の出来事。