クラックによる歯髄炎

上顎7番。クラックからの感染と思われる歯髄炎です。症状的には生活歯髄療法(神経の一部を残す治療法)も可能だったのですが感染経路を考えるとリスクがあると考え抜髄しました。40年ほど前の治療だったそうです。ブラボーです! 完全にむし歯を取り除いて精密な治療をすれば長持ちするんです。根本的なところはずっと以前から変わりません。ヒビが入ってしまったのは仕方ありません。

歯髄腔が狭窄しており根管口も細くなっていました。顕微鏡下じゃないと無駄な切削をしない治療は難しいと思います。上顎7番はラバーダムが掛けづらく、掛かってもズレたり外れたりしやすいので、クランプをコンポジットレジンで固定します。これは案外重要なポイントです。とにかく何としてでもラバーダムを掛けないと根管治療は始まりません。

インプラントの印象

ボーンレベルインプラントの印象です。写真を撮り忘れたので模型上で説明します。

ヒーリングアバットメント
ヒーリングアバットメントを外してインプラントが見える状態
インプレッションコーピングというジグを嵌めたところ

ここからは実際の口腔内写真。インプレッションコーピングをネジ止めした状態でその上から印象します。

ちゃんと嵌まっているかどうかをレントゲンで確認したところ。このステップは重要です。
シリコン印象
作業模型

インプラントの印象は普通の印象と違ってパーツを組み上げていくような作業です。

セット。真ん中に空いている穴はネジ穴です。

穴を封鎖したところ。色はそれなりです。臼歯部ではそれほど気にならないと思いますので強度を優先します。フルジルコニアです。

iPadで治療説明

今まで紙とボールペンで行っていた治療説明をiPadでやってみました。この動画はiPad上でApplepencilで行っている所を、Macにミラーリングしてキャプチャーしたものです。

初代iPadの発売は2010年5月。私は予約開始と同時に2台のiPadを注文しました。仕事用として大きな期待があったのです。

結局iPadは治療説明用のツールにはなり得ないという結論にいたり、以来埃を被っていたのですが、その間に随分進歩していたようです。Applepencilで化けたように思います。でもまあこれから当院での出番が続くのかどうかはまだ解りません。ちょっと使ってみてからですね。