神経を抜いてからずっと歯の痛みが引かない

神経を抜いてからずっと歯の痛みが引かないとのこと。歯を叩くと痛みが再現されますから歯のせいで痛いのは間違いないのですが、痛みの期間が長くなると慢性痛に移行してしまってなかなか痛みが引かなくなってしまうことがあります。このブログの非歯原生疼痛のカテゴリーに何度か書いていますのでご興味のある方はご覧ください。

このケースではむし歯の取り残しと複雑な根管系での未処置の部位が原因だと思われましたのでそれを除去して根管治療を終えました。あとは経過を診ていきます。こういった場合、漫然と治療を繰り返しても良くはなりません。

歯肉を剥離して歯根面を処置する

歯周病の治療は深く学んでいる訳ではないので積極的に取り組んではいません。処置も平均的なレベルだと思います。謙遜ではありません😅。

ここでは歯根面を直視する必要があったので、歯肉を切開して全部層で剥離し、根面の汚れを綺麗にしました。骨には一切手を付けず、剥離した歯肉は単純に元の位置の戻して縫合してあります。

超音波ダイヤモンドチップで形成

歯を削るドリルはダイヤモンドの粒を貼り付けたものが多用されます。こんなのです。日向和田精密製作所さんのHPからお借りしました。日向和田精密製作所のバーはマイクロスコープ治療には欠かせないものがたくさんあって愛用しています。今は殆ど使わなくなりましたがJ.H.エンドバーは大学卒業当時から使っていました。これは回転させることによって切削します。

これとが違って振動させることによって削る方法があります。効率は悪いのですが回転切削器具にはない利点があります。そのひとつが硬いものしか削れないということです。歯肉に触っても歯肉はほとんど傷つかないのです。

下の動画では歯肉の下を削っていますが回転切削器具でここを削る際は圧排という歯肉をどけておく必要があります。最終的には圧排は行うのですがそれでも傷が付きにくいということは随分楽なのです。今までも色々なチップを使ってきましたが今回導入したチップは形状といいハンドリングといい切削能力といい手放せない機材になりそうです。