抜歯を宣告された前歯の18ヶ月後

このケースです。約18ヶ月経過しました。病変はほぼ消えて症状も消えています。何度治療をしても腫れと痛みが引かず抜歯を宣告されて歯内療法外科を希望して当院に転院してこられた患者さんでした。外科は殆どのケースで必要ありません。やらないに超したことはないと私は思います。
さてこの度も他院で隣の歯の抜歯の可能性を宣告されての来院です。可能性としては否定しませんが・・・・・・

根の先に膿が溜まっている(根尖病変)は殆どのケースで治ります。抜歯の理由にはなりません。テクニックセンシティブではあるかも知れませんが特別なことをするわけではありません。根の中を綺麗にしてバイ菌を入れない。これだけです。

術前
根充後
18ヶ月後

メタルコアを削り取るのは大変です

この差し歯が不適合なので外してやり直すことになりました。メタルボンド(金属焼き付け陶材冠)です。てっきりメタルコア(金属の土台)が入っていてその上にメタルボンドを被せてあるものだと思いましたがなんと継続歯(土台一体型の差し歯)でした。通常はメタルポストは超音波チップをあてて簡単に外すことができるのですが全然外れません。しかもノンプレッシャスメタル(卑金属)です。非常に硬くてなかなか削れません。バー(ドリル)はすぐに切れなくなります。2時間近く掛かりました。歯を全く削らすにコアを外すのは誰でもできるものではありません。私はできますができればやりたくない😅。

銀歯を外してみると中にむし歯がありました

なんとなくおかしいと訴える歯ですが、レントゲンを撮ってみても原因が解りません。銀歯を外して中を確認して欲しいというご希望でしたので外してみると確かにむし歯がありました。診断というのは時に難しいものです。