講習会

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連休は東京で二日間の講習会を受講してきました。
受講者は勿論のこと、講師の先生まで年下で、会場全体で私が最年長かも知れません。
熱心に学ぶ同業者に接すると良い刺激になります。そこが書籍で学ぶこととの大きな違いです。
それにしてもこんなに難しい治療なのに、保険の治療費は異常に低いのです。それにもかかわらず、熱心な若いドクターで、会場は熱気に包まれていました。

サイナストラクト

サイナストラクト。以前はフィステルとよばれていました。現在もそう云われることが多いです。排膿路です。こういうのです(別症例)。

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根管が感染し、根の先に膿がたまって骨が破壊されて、歯肉を破って排膿するのです。

X線写真。

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左の歯です。太いメタルコアの下に根管充填の形跡はなく、根の先には透過像。
骨が溶けたところは黒く見えるのです。

で、金属があるとメタルアーチファクトという邪魔がはいるので、コアを除去した後にCTを撮影しました。

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どうしてこんなに根管を削るのか理解できません。因みに私はメタルコアの除去の際、全く歯は削っていません。根管治療においても、必要最小限の歯質の切削を心がけることが、長期的な予後に重要だと考えます。割れてしまえば抜歯です。

歯質が残っていないので、コンポジットレジンで隔壁を作ってラバーダムを掛けます。根充材の除去の必要がないのですぐに根尖孔に到達します。NaOCLとEDTAで良く洗浄して1回目の治療終了。90分程度でした。次のアポイントまでにはサイナストラクトは高い確率で消失すると思われます。

その後。
二回めの治療で、根管充填を終えました。サイナストラクトも全ての不快症状も消えて、現在経過を観察中です。

 

左上4番 根管充填まで

根管治療です。大雑把に編集してありますが、実際の治療時間は約40分でした。
根管治療はほぼ100%麻酔下で行っています。この方は治療途中で眠っていました。
ほぼ三分の一の方が根管治療中に寝てしまい、その三分の一の方がイビキをかきます。
根管治療においては、特に支障をきたさないことが殆どです。