太いメタルポストの入った臼歯の感染根管治療

再根管治療をする際には殆どの場合何らかの除去という行為が伴います。最も難易度が高いのは破折ファイルの除去ですが、ゲンナリするのが太くて長いメタルコアです。

下の写真は全て除去専用の器具です。

ただ今回のコア除去は下手に力を掛けると歯根破折を起こしそうだったので削り取りました。歯は全く削っていません。この状況で歯を削ったらすぐにパーフォレーションです。
この歯の根管治療は3度目だそうですがおそらくその度に削られていったのでしょう。そしてサイナストラクトが再発して抜歯の宣告をされて藁にすがる思いで来院されるというパターンです。

基本的に根管の内側は削ってはいけません。そこは歯質が薄いのでパーフォレーションを起こします。そして特に近心根においてはそこを削っても根管の湾曲を修正できません。全く無意味な切削です。

では動画をご覧下さい。

意図的再植術その後

この症例です。

やっとひと段落です。再発したサイナストラクトは消えて不快症状も消失です。結局1年以上かかってしまいました。ずっと通院して頂いたわけではありません。最初の治療で数回。その後は経過観察で外科が1回です。何度か書いていますが何ヶ月もずっと治療し続けるような根管治療は間違っています。基本的には時間は問題を解決しません。

初診時
CT像
MTAで根管充填後
根管充填後6ヶ月経過
外科後3ヶ月

レントゲンでもずいぶん骨ができているように見えます。外科まで含んだ根管治療の治療費はトータルで20万円程度です。

なお、木田歯科医院は4月から自由診療専門医院となります。保険での治療は行いません。

根管口の明示



非常に細い根管口でした。繊細に大胆にというところでしょうか。

術前レントゲン
根管拡大後
根管充填後

感染根管ですが未処置だったので根管の拡大は最小限です。触られていない根管の治療は処置されたそれより難易度はぐっと下がります。

なお、木田歯科医院は4月から自由診療専門医院となります。保険での治療は行いません。