不顕性露髄からの歯髄壊死 サイナストラクト 病変

このレントゲンからは歯髄壊死の原因が解りませんでした。ただ確実に歯髄は死んでいます。おそらくクラックによるものだと思って治療を始めました。インレイを外すと丁寧な処置がされています。慎重に裏装材を剥がしていくとポコンと穴が開きました。中は空っぽです。前医は露髄に気づかず修復を進めた結果歯髄壊死に陥ったのだと思われます。不顕性露髄です。ピンポイントの露髄に気づかないのはある意味仕方が無いことでもあります。でも本当に丁寧な処置でした。

セラミックインレイの限界

このケースです。手前の6番と4番のセラミックインレイ、5番のインプラントは他院での治療です。どれも非常に上手な治療です。それでもセラミックインレイはこうして劣化していきます。境界部(マージン)の着色とチップ(欠ける)です。ダイレクトボンディングではこういったことはあまり経験しません。表面の劣化(摩耗や粗造化)はありますが再研磨すれば大抵回復します。私がセラミックインレイを殆どやらないのはこれがひとつの理由です。ダイレクトボンディングが不可能なケースではフルクラウンを選択しています。