遠い昔は根尖病巣と言われていた根尖病変が、遠い昔にフィステルと言われていたサイナストラクトを形成していました。来院時には排膿していませんでしたから正確にはサイナストラクトではなくアブセス、つまり膿瘍です。切開して排膿させましたがその行為で治癒するわけではありません。根管治療なしに治ることはありません。
樋状根(C-Shape)の根管治療
下顎第二大臼歯に好発する樋状根。日本人の女性に出現する確率は以前は3割程度と言われていましたが、最近の研究では50%以上だそうです。この根管形態を完全制覇できるなんて言えるような自信家ではありません。「できる限り頑張ってみます」くらいしか言えません。
とはいえ、手がけたケースの殆どは結果オーライまで持って行けているのも事実です。
セメント除去はマイクロスコープ下で
歯科で使われる接着剤を総じてセメントとよびます。これがかなり進化していてちゃんと使えば剥がれることはまずありません。被せ物が割れてしまったということは1〜2回はあったかも知れませんが、被せ物が外れてしまったというケースはこのところ何年も記憶にありません。
セメントの物性が上がったのは良いのですが、セットする際に必ずセメントははみ出してくるのでそれを完璧に除去する必要があります。これが実はとても大変なのです。で、実際に取り切れてないケースをしょっちゅう見ます。勿論当院で行った治療でそれはありません。
動画は上顎小臼歯2本にジルコニアクラウンをセットしたケースです。編集と早送りで短くなっていますがたぶんこのセメントアウトには20分位掛かったように思います。