よく降りました。駐車場は泥だらけになりましたが、診療室は無事でした。午前中は休診しましたが午後からは通常の診療に戻ります。
横向きに生えていた親知らずが原因のむし歯
通常は歯肉の下にむし歯が初発することは無いのですが、上の写真のように親知らずが完全に生えない状態でいると、赤い丸の部分がむし歯になります。このむし歯の治療はとても厄介です。奥歯の奥の歯茎の下の深いむし歯。見えない器具が入らないラバーダム掛けにくいの三重苦なのです。
歯肉の中のむし歯をコンポジットレジンで埋めてその上にクラウンを被せるというディープマージンエレベーションという方法があるのですが、精密で滑らかな充填が成されて初めて成立するテクニックであって、この場所にそんな充填をするのは無理でした。テフロンテープや圧排糸で不十分ながらなんとかアイソレーションをしてレジンを充填して、歯肉を切除して通常の形成をしてクラウンを被せることにしました。

綺麗なマージンラインの形成とはいきませんでしたが、ここは技工士さんの技術に助けてもらいます。下の画像をクリックすると動画をご覧になれます。
症状を再現できなかった感染根管の治療
上顎の犬歯に違和感があるとの主訴。その違和感を再現できません。例えば冷たいものに染みるという主訴があれば、その歯に冷たい刺激を与えたときに染みなければならないのです。
さて、神経を抜いた歯が痛むのは歯の周囲を取り囲む歯根膜という組織にあるAβ(エーベータ)という神経繊維の終末の興奮です。その場合、歯をノックしたときに反応が出るはずなのですがそれがありません。この場合は非歯原生疼痛の可能性があります。つまり歯を治療しても違和感を消すことができない可能性があるのです。
しかしCT像には根尖病変が大きくはありませんが写っています。これが今後大きくなっていく可能性はあります。というわけで患者さんの意思決定により、違和感は消せない可能性が高いけれど根尖病変の治療という目的で着手することになりました。なお根尖病変が有れば必ず歯が痛いわけではありません。慢性根尖性歯周炎では症状が無いことが多いです。
診断はとても重要です。何が痛みの原因になっているのかのかが解らなければ治しようが無いのです。
ところで最近、このブログの表示が遅くなってしまっているので、YouTubeの動画を貼り付けるのをやめてみます。ご覧になりたい方は下の画像かこちらをクリックしてください。