ウオーキングブリーチ(変色歯の漂白)

ずいぶん前にぶつけて神経が死んでしまってその後だんだん色が変わってしまったというケースです。こういう場合は安易にセラミックで被せるという治療法を選んでしまうのはお奨めしません。神経の治療をした際に裏から開けた穴から再度アプローチし漂白を行います。これをウオーキングブリーチといいます。ホワイトニングとは全く違う方法です。下の画像は一週間ごとの変化です。一枚目が着手前ですから3週間でここまで回復したわけです。

大事なのは漂白の際に従来使われていた過酸化水素水を使わないことです。これを使うと歯根が溶けてなくなってしまう可能性があります。何年か前にShimon Friedman先生の講義で教わりました。ウオーキングブリーチでネットで検索すると残念ながら今でも間違った方法が書かれていることが多いです。

まず裏側に詰めてあるレジンを除去します。これが苦労します。歯とレジンの境界が解りづらいからです。レジンを取り切らないと薬効が期待できませんからこれは重要です。下図の黒い部分にレジンが詰まっていましたが、本来ならこの半分以下の削除で神経の治療は可能です。こういった見えない部分が歯の寿命を左右します。

動画です。内部のセメントや取り残した歯髄、そして充填物を確実に取り切ることが大事です。そしてくどいようですが過酸化水素水を使わないことです。

YouTube

YouTubeになんでもない歯石除去の動画をアップしたら視聴回数が凄い勢いで伸びてます。といっても一日百回程度ですから全然大したことはないのですが、当院のチャンネルとしては異例のことなのです。

収益化しようなんて全く思っていませんからどうでも良いのですが、当院の多くのコンテンツは、こんな片手間にやった歯石除去なんかとは比較できないくらいのレベルの治療の動画なのに(と、自分で思ってるだけか(^^;) 世の中の大きなニーズはこんな所にあるんだと今更ながらに思ったのでした。歯石除去が簡単と言ってるわけではないです。中等度以上の歯周病の場合の歯石除去はとても難しいです。時間も掛かりますから片手間にやれるような処置では全くありません。

そういえば指に刺さったトゲを抜く動画も再生回数が多かった😅

歯石除去とマイクロスコープ

他の部位の治療をしていたのですがちょっと時間が余ったので簡単な歯石除去をしました。この程度の除去なら顕微鏡を使わないでルーペで行うことも多いです。

動画の前半の倍率が顕微鏡の最低の倍率ですが、ルーペだともうちょっと拡大されて見えます。しかし顕微鏡を使うと治療の動画をその場で患者さんに見せることができるのが非常に大きなメリットです。殆どの患者さんがモニタに釘付けになります。

治療によりますがその日の治療が終わった後に5分から10分程度で説明を行っています。言葉で説明する60分よりずっと解りやすいと思います。