神経を抜いてから痛みが消えない

神経を抜いたら、それ以来痛みが引かない。当院の根管治療希望の患者さんは大抵このパターンです。どんなときでも重要なのは診査診断です。どうして痛いのか? 痛みの原因は本当に歯にあるのか? そこが解らなければ治療のしようがありません。問診は原因を探る大きなヒントになりますから時間を掛けて行います。

レントゲンです。ラバーダム無しの抜随だそうですし仮封(フタ)もプアなので感染はしているのでしょうが、病変は認められず歯根膜腔も正常範囲にあるように見えます。

とまあ、死ぬほど長文なブログになってしまいそうなのでちゃちゃっと端折りますが、根管は上顎小臼歯に多い2根管口で根尖方向で繋がっているタイプで、その上部のイスムスに壊死した歯髄が残っており、根尖部は解剖学的形態が壊れていました。歯冠部の歯質は殆どなくなっており根管も大きく拡大されています。長期にわたる根管治療ではありがちですが治療の度に拡大するとこうなってしまいます。当院での切削はこのイスムスを拡大しただけで、メインで行ったのは徹底した根管洗浄です。貼薬剤が刺激になって歯根膜に炎症を起こして痛みが出ている可能性があるので根管貼薬は一切行っていません。

一回目の治療は感染歯質の除去と隔壁作り。二回目で根管内を綺麗にして三回目でMTAで根管充填しました。慢性痛に移行しているのですぐに痛みが引くということはないと思います。歯冠方向からの感染を防ぐ為にこの後レジンコアを入れて経過観察に移行しました。やれることはやったので、後は患者さんの痛みに寄り添っていきます。良くなりますように・・・

結果はこちら。

 

夏休み

8月8日(日)から8月15日(日)まで夏休みといたします。

いわき市歯科医師会では休日救急歯科診療所を開設しておりますのでご利用ください。
当院通院中の患者さんはお困りの際は直接私に連絡してください。

シリコンテープとトッフルマイヤーリテーナーを用いてレジンコーティング

この位削ってしまってもダイレクトボンディングは可能ですが、カリエスリスクの高い方(むし歯がいっぱいできている方)の場合は全体を被せてしまった方が長持ちすることもあると思います。このケースでも大きなむし歯が多くの歯にできていて、どの治し方を選ぶべきか悩みます。

この動画はむし歯を削り取ってコンポジットレジンで充填していますが、この後クラウンを被せる予定です。最終的な治療ではないのでリテーナーのフィットも完璧ではありませんが、削り直すときに修正します。むし歯を削り残すのは禁忌ですからシリコンテープで明視化したり、レジンを詰める際に水分が入ると接着しませんからラバーダムを掛けています。