治療途中で諦めたダイレクトボンディング

いつも思いどおりに治療が進むわけではありません。むし歯を取り切ったので充填しようと思ったところで痛恨の出血です。血液は接着を阻害するので修復治療の大敵です。止血を試みましたが一旦止まってもちょっとの刺激でまた出血するのは目に見えているので潔く諦めました。隣の歯はクラウンで補綴予定ですので、そこを削った際にもう一度治療する方が簡単で確実です。結果的には最初からそうすれば良かったのですが、削る前はこの歯もクラウンを被せる可能性があったのです。

銀歯を保険で白い歯に・・・

4月の保険の改訂で白いインレーが導入されることになるそうです。保険で白くできるなら銀歯を白いものに交換しようと思う方が居ると思いますが、どうぞよく調べてよく考えてからにして下さい。保険治療をやらない私がとやかく言える立場ではないので多くを語るのは控えますが、少なくとも材料としては金属の方が丈夫ですし、加工もしやすいと思います。

歯がしみるということで来院です。インレーの周辺に欠けた部分はあるものの風をかけても症状の再現性はあまりありません。レントゲンでもあまり異常は認められません。こういった場合は私は積極的に治療に介入するということはしないのですが、長いお付き合いのある方で何カ所も治療の履歴のある方でしたし、症状に直接関係はなくても欠けた部分はどうせ将来治すことになるならやっちゃってくださいというリクエストもあって治療しました。
外してみるとそれなりに劣化していて結果的には介入に意味はあったのですが、悪くなっている部分を見つけて安心するという歯科医の不条理。

 

他院で充填されたコンポジットレジンの修正

5年ほど前に歯を折ってしまい抜髄して破片をくっつけてもらったそうです。将来的にはセラミッククラウンを被せることになると思いますが、矯正治療をする可能性もあり今回は修正のみで対応することにしました。

修正箇所は接着する際に使ったと思われるレジンが歯肉の下ではみ出した部分です。ここはデリケートなエリアで意図的に盛り上げるという術式もあるのですが、意図されたものでは無さそうです。歯肉は健康的な状態ではありません。

ただの研磨で特別なことをやっているわけではありません。それでも基本に忠実こそが当院の存在意義、カッコ良く言えばレゾンデートルなのです。