セミナー

月曜と火曜の二日間のコースでした。流石に受講者のレベルも高く皆さん本当に上手です。表彰状をいただきましたがペーパー試験の成績です。治療技術とは関係ありません。
少しの自慢とズル休みじゃ無いことの証明です(笑)。

複雑な根管形態の上顎6番

複雑な根管です。

口蓋根

遠心頬側根

近心頬側根

最終的には4根尖孔のように見えますが、イスムスだらけだと思われます。

抜髄根管ですので最も重要なのは感染させないことです。こういった歯をラバーダムも隔壁も無しで根管治療するのは自殺行為です。これが感染根管になってしまったら大ごとです。

根尖孔外に出てしまっていたガッタパーチャの除去

他院で数ヶ月治療したそうですが痛みが消えないとのことで当院に転院されました。画像はクリックで拡大します。


レントゲンで仮封の下に隙間があるのが確認できます。

仮封を外した状態です。これでは根管の中にばい菌が入り放題です。ちゃんとした根管充填がしてあっても細菌は根尖に到達するという研究があります。ガッタパーチャとシーラーによる根管充填は実は期待しているほどの封鎖性はないのです。

残っていたむし歯を除去してコンポジットレジンで隔壁を作ります。これで根管とその外部を遮断することができました。ラバーダムも掛けられるようになりました。これが根管治療では最も大切な処置です。隔壁を必要としない根管治療は実際の臨床では殆どありません。

回りくどい説明より動画をご覧下さい。治療は麻酔下で行っています。

MTAで根管充填後。根尖孔から下方に出ている不透過像はMTAだと思われますが横にあるのは取り切れなかったガッタパーチャなのかも知れません。ただし根尖孔から出たガッタパーチャが必ず病変の原因になるというわけではありません。

治療回数は二回でトータル120分程度でした。症状が消えなければ外科処置になります。