エンドモーターを使ったMTA根充

抜去歯でのMTA根管充填のトレーニング。

どこをとっても物性は完璧なMTAですが、たった一点操作性の異常な悪さが問題です。根管に充填するのは簡単ではありません。そこでいろいろな方法があるのですが、これはニッケルチタンファイルをエンドモーターで逆回転してコンデンスしています。EMR連動での回転コントロールはやっぱり便利です。

ところでMTAはこういった練習に使用するには大いなる勇気が必要です。要するに高いのです(汗)。ところが偶然練習用の粉を見つけました。もうMTAは10年以上の使用歴がある私ですが、練習で使用してみて違いが全く分かりません。使いづらいのも練った感じも、練ったあとすぐに乾いてきてボソボソになるのもそっくりです。この動画で使用しているのもその粉です。硬化しないので洗い流して練習用の歯を再利用できます。そしてこれがまた絶妙なのですがX線造影性があります。世紀の大発見です! トレーニングにしか使えないのが欠点です(当たり前)。セコイけどここで書いてしまうのは惜しいので内緒(笑)。友人限定で教えます。ポルトランドセメントで練習するよりずっとず〜〜〜っと良いよ。

入れ歯と保険

この写真は下の文章とは関係ありません。

歯の神経の穴とかデジタルスキャンとか、ヲタクで細かいことばっかり書いていますが、実は私は大学を卒業して総入れ歯の医局に5年ほど居ました。義歯の臨床は好きなんです。

さて、Sさんは他院にて12回も下の部分入れ歯の調整に通ったのに全く良くならないと仰って、「浮気してごめんね」と言いながら久しぶりに当院に来院されました。い、いや、Sさん、私のお袋と言っても良いお歳です(笑)。

入れ歯の調整の保険点数がどのくらいなのかもう忘れてしまいましたが、たぶん異常に低かった思います。もしかしたら再診料しか請求できないのかもしれません。前医には時間を掛けてちゃんとやれば解決できるのに、経営を考えると時間を割くことができないという大人の事情がきっとあったのです。

90分ほど時間を掛けて、義歯に沈下防止の装置を新たに追加して粘膜調整を使いました。数日後、Sさんは何でも噛めるようになりましたと喜んで、義歯治療をご希望のご友人ををご紹介くださり、その方に付き添って来院されました。たまたま上手くいっただけかもしれませんが、ちゃんと丁寧に治療して見合った報酬を受け取ってお互いに感謝しあうというのが理想的だと私は思います。

患者さんには保険での歯科治療を拒否するという権利があります。お店でそっちじゃなくてこっちの、高くても品質の良い方をくださいと買い物をするのとニュアンスとしては同じです。そこでお店選びが重要になるわけですが、これが難しく、ネットの情報なんて信用してはいけません。と、さんざん書いてる私が言うか(笑)。