エンド由来歯痛

歯内療法は多くの場合痛みを取り除くということが最重要課題になります。その痛みが歯に由来していれば治療効果が出る可能性は高いのですが、それが歯の所為でなければ歯を治療しても痛みは引きません。たとえ抜歯しても痛みは消えません。
幻肢痛という言葉をご存じでしょうか? 怪我や病気によって四肢を切断した患者さんに現れる失った部位の痛みをいいます。これと同じようなことが歯でもおきるのです。

私にはこういった歯に直接原因の無い種類の痛みを取り除くことはできません。つまり治療することができないのですが、診断する能力は高めておく必要があります。学ぶ機会があれば積極的に参加するようにしていますし、書籍も読むようにしています。直せない疼痛に着手するのは患者さんにとっても歯科医にとっても悲劇しか生みません。

ただ歯科医師の中でもこの分野の認知度は非常に低いのが現状のようです。