デジタル印象・アナログ印象

純粋にジルコニアだけで作られたものをモノリシックジルコニアと言います。丈夫で汚れにくく変色もないのですが、最大の欠点が色が不自然だということでした。しかしどんどん進歩しています。奥歯には充分使えるようになったと思います。

金属が非常に高騰しており被せ物に金属は高額な治療に変わってきました。白い歯だから治療費が高いというのはもう過去の話です。保険診療では、歯に金属を被せる治療をすると赤字になるそうです。なんとかしないとやがて破綻します。

術前。部分的に詰めてあったセラミックが破折しています。

部分的に被せることのメリットは歯を削る量を少なくできることです。そのメリットと完全に被せることのメリットを比べてこのケースでは被せました。技術的には部分的に被せる方が難しいです。

青い丸の中がモノリシックジルコニアクラウンです。

今回は試験的に光学印象も行ってみました。

しかし、とてもこれだけでは最終印象にはなり得ませんでした。ところがこの部位だけシリコンのアナログ印象をしておけば、従来のアナログ技工で行っていた「副歯型」や「すげ替え」がデジタルで行えます。そしてどうやらそういったテクニックはデジタルの方が正確なようです。
アナログとデジタルのハイブリッドで双方の欠点を補い合うというのが良さそうかなというのが現時点での感触です。セレックでの経験も活きています。