学校歯科健診の限界

私自身も校医をしています。コロナ騒ぎで延期になっていましたが無事今年の健診を終えました。私はルーペとルーペにマウントされた強力なライトを使用して健診を行っています。これでも裸眼に普通のライトと比べれば格段の差が出ます。

しかし写真のようなむし歯を確実に発見できていると自信を持って言い切ることはできません。この写真は歯科用のユニット(診療台)に寝せて専用のブラシを使って注水下で表面の汚れを落としてみたら見つかったので撮影しました。撮影までの所要時間は15分程度だと思います。ピンポイントですが深さがあるむし歯です。学校歯科健診はブラシもユニットも使えずそんなに時間も掛けられませんからこういったむし歯を発見するのはかなり難しいと思います。むし歯の穴にはプラークが溜まっていて取り除かないと見えません。

この学生さんは健診ではむし歯はゼロと言われていたそうです。私が健診を行ってもおそらく一本は見逃していたと思います。一般的な学校健診では健診で発見できるような大きさのむし歯の有無が解るだけです。過信はしないで下さい。

ただし中には公衆衛生活動に真摯に取り組み、精度の高い健診を行っている歯科医師もいると思いますので、全てに当てはまるわけではありません。そのような歯科医師の名誉のために書き加えておきます。