樋状根の感染根管治療の動画(ノーカット早送り)

補綴物を除去して感染根管治療に入ったところです。まだムシ歯は取り切っていません。あまりに根管内が汚れていたので、ザッと綺麗にしました。本来はムシ歯の部分を完全に除去してから、根管内の治療に入ります。特に抜随(神経を抜く)の場合はマストです。

樋状根(といじょうこん)という特種な形態の根管です。根管内には壊死した歯髄や汚染されたガッタパーチャが入っていました。この形態をした歯の感染根管治療は手探りでは私にはほぼ不可能です。

動画のスピードは2.5倍程度です。前後をトリミングはしていますが途中のカットなどの編集はしていません。音声も録音した方がリアルになるのでしょうが、マイクはないのです。
というわけでYouTubeのフリー音源を被せてみたら軽薄な感じになりました(笑)。

根充後はこちらです。

 

 

マイクロCT

マイクロCTなんて言うと・・・・・・
マイクロスコープとCTで根管治療はお任せ下さい。
などと続きそうですが、そうではありません。

マイクロCTという装置があるのです。医療用ではないので生体を撮影することはできません。実験計測用です。工業製品などをスキャンします。
生体は無理ですが、抜いた歯をスキャンすることは可能です。最近の歯内療法の論文にはマイクロCTを使った観察が多く見られます。とても鮮明な画像を見ることができます。

こんな論文を誰でも読むことができます。
マイクロCTによる下顎切歯根管形態の分析

要するに根管は単純な管ではなく、扁平していて曲がりくねって枝分かれしていてグジャグジャの迷路のような複雑系だということです。

ですから、マイクロスコープとCTで根管治療はお任せ下さい。
なんてとても言えないのです。

などと、謙遜してるようで実はセルフブランディングしているシタタカな私。

マイクロスコープの静止画のフォーカス

前歯にセラミッククラウンを入れるような場合、色合わせが難しいのは真ん中の前歯一本だけ被せるような場合です。逆に6本だったりすると、苦労しません。

当院ではシビアな場合は技工士さんに医院まで出張して貰って直接立ち会いの下で色を決めてもらいます。そこまで神経質になる必要がない場合は、カメラで撮影してデータを渡しています。

ところで写真による色の再現はとても難しいのです。例えば同じ絵の具の写真をいろいろなカメラで撮影して見比べると色が違います。今度は一つのカメラで撮った写真をいろいろなモニタで表示すると色が違います。同じカメラで同じモニタであっても、モニタは時間とともに色が変わっていきます。購入して数ヶ月で変わります。そこでキャリブレーションという作業が必要になります。技工所のモニタにも同じ作業が必要になります。

これを解消するためのキャスマッチというカラーチャートがあります。詳しくはここに書いてあります。
最近は色彩を数値化するデジタル機器も出てきています。高くて買えません(涙)。

と、ここまでは前振りです。

マイクロスコープの静止画がどうも納得できないのです。それでキャスマッチを使って色補正をしてみようと思い立って撮影してみたのですが、なんだかフォーカスが甘いのです。

画像をクリックすると拡大されます。実物の大きさは1cm画です。


眠い画像


ジャスピン画像

それでカメラマウントのフォーカスを確認してみたのですが、ここには問題を発見できません。さんざん設定をいじってみても解決しなくて困っていたのですが、やっと原因がわかりました。フォーカスではなくてブレでした。静止画のシャッタースイッチをマイクロスコープの支柱のテーブルに置いていたのですが、その所為でした。ほんの少しですがシャッターを押すと支柱を伝わってレンズも揺れていたのです。顕微鏡を覗いている私に見える像も揺れているはずですが、人間は自然に脳内で補正してしまうのですね。一瞬ですし。

というわけで、少しずつ前進しているのですが、動画の環境でまた大きな壁にぶち当たりました。これはメーカーのソフトのデバッグ以外では回避できそうにないです。