セラミッククラウンが8本。ダイレクトボンディングが7本でした。写真が下手ですが、お口が小さくて、、、と言い訳をしておきます(汗)。
歯を削らない接着ブリッジ
この欠損をどう治療するか?
インプラント、ブリッジ、入れ歯の三択です。
入れ歯はあまり選択されません。インプラントにするなら骨増成が必要です。
デジタルシミュレーションです。
ブリッジが無難なのですが下の画像をご覧下さい。
赤丸の中の歯並びがブリッジの障害になります。ブリッジのために歯を削ると神経を抜かなければならなくなる可能性が非常に高いのです。下の写真の赤い部分が神経ですがはみ出しているのがわかると思います。
それを避けるためには矯正治療を事前に行うことですが患者さんはそこまではご希望になりませんでした。そしてなるべく侵襲の少ない治療法をご希望になりました。それそれの治療法のメリットとデメリットを可能な限りバイアスを排除して説明した結果、接着ブリッジを選択することになりました。
印象(型取り)はとても簡単です。歯肉の下に歯と被せ物の境目が来る場合は光学印象(スキャナで行う型取り)だけでは無理な場合もあるのですがこういったケースではそのような問題はありません。下の模型はネットで送ったデータからラボで3Dプリンターで「印刷」された模型です。ピンクの部分はガム模型と言ってゴムのような材料で歯肉を再現しているのですがこういった手間を惜しまない仕事が結果を生みます。
できあがったブリッジ。赤いのは位置決めのジグです。
このようにして装着の際に使います。
セット後。接着命なのでとても気を使います。使用した接着剤はパナビアV5というレジンセメントです。
強烈に乾燥させているので周辺の歯が白くなってしまっていますがこれは時間をおけば戻ってきます。
どんなケースにも適応する方法ではありません。また通常のブリッジに比べて脱離のリスクは高いと思います。したがってトラブルが起こった場合の対処法は事前に文書で取り交わしておく等の配慮が必要です。ラボ(技工所)には着手前にデータを送ってこの術式が可能かどうかの確認をしておく必要があります。
ジルコニアという丈夫な材料と接着剤の進歩によって可能となった方法です。ですがくどいようですが万能ではありません。
もっとも歯科治療に万能な方法なんてどこにもないのですが・・・
下顎6番の遠心マージンを顕微鏡下で直視で形成
顕微鏡によってはこの部位を直視可能な場合もあります。