前歯のブリッジの光学印象とスマイルデザイン

前歯のブリッジの光学印象をやってみました。圧排糸を入れた状態で光学印象しています。

良い感じにできたと思いました。

拡大してみます。

確認してみます。青い丸の中が残念。

かなり頑張ったのですが一部だけ撮れていませんでした。印象は失敗か成功かしかありません。100点満点の80点とかは無いのです。デジタルの場合はここだけスキャンし直しという手段があるのですが、ソフトの操作にまだ慣れていないので、手慣れて確実なシリコン印象を行いました。デジタルとアナログでフュージョンできるのでそれでもかなり楽です。

デジタルは歯科医師の技術をカバーしてくれる魔法の技術ではありません。アナログなら優しい技工士がカバーしてくれますがデジタルは冷酷です。そして正直です。もうデジタル化の流れは止まることはないと思いますし保険にも入ってくるでしょうが、大丈夫なのかな? 簡単に印象が採れるなんて嘘です。印象が採れればその後は格段に便利ですが、肝心の印象が採れなければ何も始まりません。そこは10年前のセレック3から何も進化していません。

と、ネガティブなことばかり書いていますが、決してdisってるわけでは無くツールとしての可能性はとても高いと思っています。原理が同じだけで10年前より操作性もスピードも圧倒的に進化しています。そして道具として面白いです。

さて、下の動画はTriosのスマイルデザインというソフトを使ったシミュレーションです。フォトレタッチソフトでも可能だとは思いますが、さすがに専用ソフトは操作性が格段に優れています。しかしこれを実際の補綴物の設計にどうやって利用するのかは解りません(笑)。ちょっとかっこいいですけど、ただの写真の合成です。

デジタル印象・アナログ印象

純粋にジルコニアだけで作られたものをモノリシックジルコニアと言います。丈夫で汚れにくく変色もないのですが、最大の欠点が色が不自然だということでした。しかしどんどん進歩しています。奥歯には充分使えるようになったと思います。

金属が非常に高騰しており被せ物に金属は高額な治療に変わってきました。白い歯だから治療費が高いというのはもう過去の話です。保険診療では、歯に金属を被せる治療をすると赤字になるそうです。なんとかしないとやがて破綻します。

術前。部分的に詰めてあったセラミックが破折しています。

部分的に被せることのメリットは歯を削る量を少なくできることです。そのメリットと完全に被せることのメリットを比べてこのケースでは被せました。技術的には部分的に被せる方が難しいです。

青い丸の中がモノリシックジルコニアクラウンです。

今回は試験的に光学印象も行ってみました。

しかし、とてもこれだけでは最終印象にはなり得ませんでした。ところがこの部位だけシリコンのアナログ印象をしておけば、従来のアナログ技工で行っていた「副歯型」や「すげ替え」がデジタルで行えます。そしてどうやらそういったテクニックはデジタルの方が正確なようです。
アナログとデジタルのハイブリッドで双方の欠点を補い合うというのが良さそうかなというのが現時点での感触です。セレックでの経験も活きています。

歯科治療の見える化

デジカメで撮影
デジカメにマクロレンズを付けて撮影
マイクロスコープの弱拡大
Toriosの3D画像
モニタ

治療前も治療計画も治療過程もできうる限りを映像で説明してきました。まだ試用段階ですが今後はこれに3Dスキャナも活用することになります。

右下の6番を形成して仮歯を入れたところをスキャンしてみました。最終的に被せるものの機能と形態を作っていく仮歯をプロビジョナルレストレーションというのですが、これをコピーして同じ形を削り出せば、正にそうなります。これは少し大きかったので修正が必要です。