オールセラミッククラウン

メタルボンドクラウンとかメタルセラミッククラウンとか言われる被せ物があります。日本語だと金属焼き付け陶材冠です。金属の表面にセラミクス(陶材)を焼き付ける七宝焼きのような技法で作成します。金属の色が透けて見えないように金属表面にオペークという不透明な白い層を作ってその上に陶材を盛り上げて焼いていくのですが、透明感を再現するのにはこのオペークが邪魔になるのです。

下の写真の矢印の歯は当院のオールセラミクスクラウンの治療です。向かって左側(奥歯)は当院でのダイレクトボンディング。向かって右はかなり前に他院で治療したメタルボンド。何十年も経過しているそうですから大成功の治療だと思いますが、透明感がなくて歯肉との境目は黒っぽくなってしまっています。ある程度は回避可能ですが材料の宿命です。金属の良い面も確かにあるのですが将来的には少なくとも前歯では金属を使った補綴は減っていくと思います。

綺麗に削って精密に型を採って上手な技工士さんが作って丁寧に接着するということが行われた上でのお話です。それぞれのステップで60点の積み重ねだとそれが乗算された結果になるのです。そもそもの根管治療がちゃんとしていなければ全ては無駄になります。

結果が全てなのですが結果を出すためのプロセスは重要です。削って型を採って治療時間30分とかは自由診療に於いてはあり得ません。

なお、木田歯科医院は4月から自由診療専門医院となります。保険での治療は行いません。

メタルセラミッククラウン

金属焼き付け陶材冠での治療。

治療後の写真はちょっと露出オーバー気味(白く綺麗に見える)なのですが、それを差し引いても随分改善されていると思います。側切歯をもう少し内側に入れられればもっと綺麗になるのですが、それには下顎の矯正が必要です。
術前の写真は保険治療ですからそもそも比べることがフェアーではありません。仕方が無いのです。本当にお気の毒なのは保険外で粗悪な治療が成されているケースなのです。

一回の治療時間は90〜120分。治療期間は約2ヶ月でした。

 

なお、木田歯科医院は4月から自由診療専門医院となります。保険での治療は行いません。

日々の臨床と印象

印象派の画家は光をキャンバスの上に再現しようとしました。同じように光を使う光学印象は印象派の手法なのです。
嘘ですよ。ただ適当に言葉を並べただけで深い意味はありません(笑)。タイトルも韻を踏んでみただけです。

上顎前歯の印象は下顎臼歯に比べたらずっと楽です。コイスの分類のnormal crestのサルカスにダブルコードテクニックによるシリコン印象。印象は100点満点か0点かしかありません。満点以外は廃棄です。

材料の進歩で印象はずいぶん楽になりました。その昔はチューブに入っている印象材を紙の上に絞り出して金属のヘラで練っていたのです。これを均一に練るのはかなり難しいのですが、私は自慢じゃないですがめちゃくちゃ上手いです。たぶん日本でも屈指のレベルです(真顔)。が、、、今となっては全く必要の無い技術です。