3Shape TRIOS® Intraoral Scanner 導入します。

手段の目的化のような気がしてデジタルデンティストリーからは距離をおいていたのですが、治療の「見える化」を進めていく過程でどうしてもこれを使ってみたくなりました。
マイクロスコープ下での治療ではほぼ全てにおいて動画記録をしているのですが、それまで見たことがない拡大映像を見せられても、患者さんはイメージしにくいですよね。歯医者受けは結構良いんですけど。

下の画像は下顎大臼歯近心根のイスムスですがどうです? 何に見えますか? 綺麗になったでしょう?と言われても困りますよね?

顕微鏡像と比べても詮無いことですが、それにひきかえIOS(イントラオーラルスキャナー)の3Dデータは説明用のツールとしては非常に有用であると思うのです。見た瞬間に理解できます。ディティールのクリアさでは一眼レフのスチル写真にはかなわないのでしょうが、歯列全体を3Dの映像で見られることは大きなアドバンテージだと思うのです。歯肉の状態を説明するこにもたぶん有効だと思います。プラークスコアとかポケットの深さをチャートで見せられてもあまり実感が湧かないと思うのです。「思うのです」ばっかりですが・・・。

現在は型を取って石膏を流して作った模型を咬合器に装着して説明していますが、これもいずれ必要なくなるのかもしれません。

勿論CAD/CAMにも使えますし、インプラントにもアライナー矯正にも使用できるのですが、現時点ではそれらはあまり必要とは感じていません。

ただのアーリーアダプターに成りたいわけではありません。けれどもセレックの導入もマイクロスコープの導入もまだまだ一般的にはほとんど無い時代でした。もしあの時にマイクロスコープを買っていなかったら今の私はありません。機材は購入した時がスタートでそこから経験を積み重ねていく時間が必要なのです。つまりおっさんにとっては早いほうが良いのです(汗)。
そしてその先を見据えているのです。

デジタルデンティストリー

連休初日はデジタルデンティストリーのセミナーに参加してきました。デジタル関連のセミナーに参加するのは10年ぶりです。CAD/CAMに興味があるわけではないのですが、IOS(Appleじゃないですよ。口腔内スキャナです)に最近思うことがあるのです。

それなりに私でも話しについて行けました。基本の基本は私がデジタルをスタートした時代とそう大きくは変わっていないようです。ずっと言い続けてきた光学印象の限界は、未来永劫変わることはありません。
それでもひたすら考え続ける歯科医師がいて、例えばIOS(Appleじゃないですよ。口腔内スキャナです(二度目))の欠点を補正するアイディアは感動ものでした。道具は使いこなしてナンボのものです。取説どおりに使っている限りは大したことはできません。

情報では今年中に日本のメーカーがIOS(Appleじゃないですよ。口腔内スキャナです(三度目))を発売することが決まっており、それはつまり保険に導入されるということであり、CAD/CAM冠はメタルクラウンより報酬が高いですから雪崩を打つように歯科医院に広がることが予想されます。そして・・・・・・

下の写真は当院でデジタルデンティストリーを開始した当初の10年前の症例です。

3Shape TRIOS4

IDS(ケルン国際デンタルショー)が今ちょうど開催されています。いろんなところから情報が入ってきます。いろいろな機材が展示されているのでしょうがなんと言ってもメインストリームはデジタルデンティストリーでしょう。私はデジタルデンティストリーまではフォローしきれないと考えて最近の動向には全くついて行けていません。傍観者です。ちょっと謙遜していますが(笑)。

歯科技工がデジタル化してもアナログをデジタル変換するのは歯科医ではなくても良いわけです。そして何より現状はアナログ印象にアドバンテージがあると思っているのです。

ところがスキャナーは印象用のツールとしてだけでなく口腔内写真用のカメラに取って代わるだろうと気づいてしまいました。患者説明用のデータとして最強かもしれません。CTデータがそうであるように・・・。

下の動画は数年前に出たTRIOS3の後継機種、TRIOS4のIDS 2019でのデモです。圧倒的なスピードと赤外線カメラの画像に驚かされます。今年中に発売されるとの噂です。喉から手が出そうです(汗)。