フェネストレーションを歯根端切除術で対処した症例のその後

このケースのオペ後約40日後です。

残念ながら不快症状を消し去ることはできていません。症状の改善はあるそうです。最初から保存は無理で治療に着手しないという選択をしたことはありますが、着手して不快症状を消せなかった最初のケースとなってしまいそうです。

「医療に完全は無いです」と私自身良く言うのですが、いざ当事者になると、とたんに説得力を失うように思えてしまいます。冷静で理解力のある患者さんの「当面はこの状態とつきあってみます」という言葉に助けられています。とにかく誠実にずっとフォローしていきます。

下顎5番の扁平根管(根充後)

この症例の根充後のレントゲン(クリックすると拡大表示されます)。何の変哲も無い根管充填です。

これについては諸説ありますが、特種な根管形態を持った歯以外でニッケルチタンのロータリーファイルで拡大が終了した根管にはファイルと同じ規格で作られたガッタパーチャポイントを、MTA系のシーラーを使ってシングルコーンで根管充填しています。従って根管充填は数分で終わります。にもかかわらず、この歯の根管治療に費やした時間は120分程度です。通院回数は二回。いちばん時間を掛けたのは根管洗浄でした。

この写真を見ると、根尖孔は根尖には無いことが良く解ると思います。