歯髄炎の下顎の6番の抜髄根充。
通常は大臼歯の根管治療の回数は2回です。
未処置の根管は素直です。とはいえ、近心根の穿通は08が必要でした。
福島県いわき市にある自由診療専門の歯科医院です。TEL 0246-36-5960
下顎第一小臼歯は通常は1根です。
下の画像は治療途中で当院への転院の方です。根尖をカットしてしまった恥ずかしい術前のレントゲンです(汗)。
仮封材を外し汚れを綺麗に取り除くと、ガッタパーチャ、つまり根充済みの根管口の位置が中心から偏位しています。怪しいので更に探っていくと舌側に根管口らしき痕跡を発見しました。
ミラー像で解りにくいと思いますが、ファイルを根管に通した画像で、グレーのヘッドのファイルは08です。根尖孔まで到達しました。以前も書きましたが、未処置の根管は治療しやすいのです。これが変に触られた後だと格段に難易度が増します。途中に引っかかりを作ってしまって簡単には根尖まで届かないことが多くなります。
根管口を明示したところ。
根充前
いろんな歯があります。これは矯正のために抜歯した下顎第一小臼歯です。
2根3根管です。
(その1)はこちら。
このイスムスを軽く拡大すると・・
かなり汚れが残っています。
洗浄でかなり綺麗になりました。この時点でMB2は根尖まで穿通できています。プレカーブを付けた06ファイルでした。未処置の根管は治療しやすいのです。
サイナストラクトは既に消失しています。
ここまで治療を進めてからCT撮影を行いました。イスムスを拡大してもストリップパーフォレーションを起こさないか確認したかったのです。
画像からは近親頰側根が2根管なのが良く解ります。ヒョウタン型なのでイスムスの拡大は最少限度にとどめるべきことが示唆されます。そして二次元のレントゲン像からは想像できなかった病変の大きさです。
黄色い部分が病変
無闇なCT撮影は慎むべきですが、このような普通のレントゲンから得られる情報には限度があるのもまた事実です。このレントゲンから病変の大きさを把握することは無理です。実は病変の大きさはあまり治療とは関係ないのですが、治療に介入するかどうかの意思決定の一助にはなるでしょう。
撮影は装置があれば誰にでもできます。しかし病態を把握しても治療技術がなければ撮影は無意味です。