ストレートラインアクセス

根管の入り口を根管口というのですが、ここをどう攻略するかが根管治療には大切です。削りすぎること無く器具操作がし易い形にします。根管洗浄する際にも細すぎてはシリンジが入りません。

下顎7番。ピンクがかっているのはう蝕検知液を使ってむし歯を除去しているからです。感染根管です。

この歯の根管口を明示して器具が直線的に入るように形成したのが下の写真です。ストレートラインアクセスを確保した状態です。

どの歯でも抜髄症例では根管口は大体似たような形になりますが、再治療の場合は既にいじられているので綺麗な形にならないこともあります。

 

下の写真は下顎6番の近心根です。2根管口で根尖で繋がっていました。イスムスはよく洗浄して拡大はしませんでした。感染根管ではありません。

根充後。右に見える近心根の根充材が1本になっているように見えると思います。二次元のレントゲンですから実際には参考にはならないのですが…。
顕微鏡の写真からは根管口をとても大きく拡大しているように見えると思いますが、レントゲン写真を見るとそうでもないことが解ると思います。

セミナー

昨日は秋葉原で清水藤太先生のエンドのセミナーでした。半日の講習でしたが臨床的で中身の濃い講演でした。当日に限り機材を成約すると、ビックリ価格で、しかも無料の清水先生のハンズオンが付いてくるというディーラーの策略に、まんまと嵌まってしまいました(汗)。

ハンズオンは平日の夜、東京で行われます。講習は2時間なんですが移動に半日潰して帰宅は夜中という、田舎暮らしには嬉しいスケジュールです(涙)。もっとも講師はLAから飛んでくるのですから文句を言ったら罰が当たります。

抜髄

下顎6番の近心根です。根管口を拡大して根尖まで器具は到達しています。何か見えます。

赤い線で囲まれた部分です。歯髄です。神経を抜くことを「抜髄(ばつずい)」といいますが、綺麗にスポッと抜けてくるようなことはありません。顕微鏡で観察すると根の中には取り残しが見つかります。

特殊な器具で偶々綺麗に一塊で取れた、取り切れていなかった歯髄組織です。

見える範囲では綺麗になりました。

顕微鏡を使っても見えない部分は当然あります。でも見えない部分が少なくなるのは確かです。治療時間が長くなるのはその所為でもあります。