Stepwise Excavation 歯髄温存療法

無症状でも非常に深く進行したむし歯があります。痛みが出ていれば神経の処置をすることが多いと思いますが、ご本人が全く気づいていなかったような場合はなんとか神経を残したいものです。

このケースは完全に感染象牙質を除去すれば高い確率で神経が露出することになると思い、敢えて感染象牙質を残しその上にタンニン・フッ化物合剤配合カルボキシレートセメントを置いてその上にコンポジットレジン充填を行いました。う蝕治療ガイドラインに沿った治療ということになります。歯肉の下に深く広がったむし歯だったので電気メスで歯肉を除去しています。この状態でラバーダムを掛けるのは不可能だったので尚更歯髄処置は避けたかったのです。

3〜12ヶ月後にリエントリー、つまりまたレジンを外して中を確認してレジンを詰め直します。成功すれば象牙質の硬化が観察されるはずです。

今週の治療は制限いたします。

大変申し訳ありませんが今週はスタッフが急な事情(病気じゃないです)により欠勤いたしますので、治療も制限いたします。顕微鏡治療はアシスト無しには無理なのですが、うちでは顕微鏡を使わない治療というのはあまりないのです。

当院は歯を削る量もミニマムですがスタッフの数もミニマムなのです(笑)。自由診療での開業には「恐竜絶滅の法則」というのがあって規模の拡大はやってはいけないこととされています。普段はそれで全く問題が無いのですが、こういうときはちょっと困りますね。

お電話にも私が応対いたしますがそういった事情ですので驚かないでください。ご不便をお掛けしますがよろしくお願いいたします。

MTA根管充填

当院で行う根管治療はその殆どが治療のやり直しです。根管治療はやり直しの方が難易度は遙かに高くなります。根管の中に汚い物が一杯詰まっているのでまずはそれを取り除く必要があるのですが、これが難易度を上げる第一の理由です。詰まっている代表がガッタパーチャというゴムのようなモノです。これが本当に取れません。ここでやってしまうのはガリガリ暴力的に盲目的に削るというやり方です。動画に写っている器具につけて回しているドリルのようなものは一切歯がついておらず、したがって歯は削れません。このケースではその後レッジというこれもやっかいな所をクリアして根の先にアプローチします。

 

その後は徹底的に洗浄を行いMTAで根管充填を行います。下の動画は編集ソフトで手ぶれ補正をかけてみたのですがコンニャク現象といわれている揺らぎが出てしまっています。作ってる側としては気になるのですが、見ている方は気にしないで下さい。