抜髄

下顎6番の近心根です。根管口を拡大して根尖まで器具は到達しています。何か見えます。

赤い線で囲まれた部分です。歯髄です。神経を抜くことを「抜髄(ばつずい)」といいますが、綺麗にスポッと抜けてくるようなことはありません。顕微鏡で観察すると根の中には取り残しが見つかります。

特殊な器具で偶々綺麗に一塊で取れた、取り切れていなかった歯髄組織です。

見える範囲では綺麗になりました。

顕微鏡を使っても見えない部分は当然あります。でも見えない部分が少なくなるのは確かです。治療時間が長くなるのはその所為でもあります。

 

フェネストレーションを歯根端切除術で対処した症例のその後

このケースのオペ後約40日後です。

残念ながら不快症状を消し去ることはできていません。症状の改善はあるそうです。最初から保存は無理で治療に着手しないという選択をしたことはありますが、着手して不快症状を消せなかった最初のケースとなってしまいそうです。

「医療に完全は無いです」と私自身良く言うのですが、いざ当事者になると、とたんに説得力を失うように思えてしまいます。冷静で理解力のある患者さんの「当面はこの状態とつきあってみます」という言葉に助けられています。とにかく誠実にずっとフォローしていきます。

降圧剤による歯肉増殖症

血圧の薬を飲んでいる方に歯肉増殖の副作用が出ることがあります。ニフェジピンという薬を飲んでいる方の20%程度に出るといわれているようです。

腫れているわけではなく文字通り増殖しているので、痛みはありません。歯周病で歯肉が腫れるのとは全く違います。ちょっと当院の症例写真が見つからないのでここでお見せできないのですが、「アダラート 歯肉肥厚」で画像検索すればたくさん出てきます。薬を変えることで改善することが多いです。