EMR連動エンドモーターのトレーニング用模型の制作

根管の長さを知ることは歯内療法において重要なことです。これを電気抵抗の変化を利用して計測する機器をEMRというのですが、世界に誇る日本の発明です。これをエンドモーターと組み合わせて使えるようにしたのがこれです。

https://www.youtube.com/watch?v=0zgEgqh8bGo&feature=emb_logo

新しい機材を使いこなすには必ずトレーニングが必要なのですが、これには工夫が必要です。通電する必要があります。

では模型を作りましょう。このシリコンの枠(汚れてるのは見ないで(^^;))に抜去歯を差し込んで根尖部をワックスでブロックします。

その後流ロウしたのが下の画像です。ここに電極を繋ぐわけです。

歯根が見えます。

模型にセットアップしない抜去歯で最初は練習したのですが、根尖を導電性のある液体に漬けるようにすると根尖から液体が入ってきてしまうのです。そうなれば液面で通電しますからエラーになります。

それでこれを見つけました。導電性のある粘土です。勿論歯科材料屋さんでは取り扱っていませんよ(笑)。

穴の中にこれを詰めて電極を刺します。

後はこの人にセットします。マイクロスコープを使う治療の練習にはミラーテクニックとアシスタントワークの練習もセットにする必要があるのでマネキンは必須です。



アポイントがない時間にこんなことをしていました。歯科医の皆様におかれましてはどうぞトライしてみてください。

コロナウイルス

週末は東京でセミナー受講の予定でしたが、中止になりました。新型コロナウイルスの所為です。そうそう、いわきサンシャインマラソンにもエントリーしていましたが中止になりました。インフルエンザの流行はもっと遙かに強烈で、亡くなる方もずっと多いのにどうしてコロナだとこうなるのか理解に苦しみます。放射能デマの時と同じに見えてしまいます。気をつけて生活をしていて感染して発症しちゃったらそれは不運だと思って諦めましょう(笑)。

現状では歯科医院はスタッフが一人でも発熱したらコロナかも知れませんから2週間休診です。歯科医院ってチョー濃厚接触ですからリスクが高いです、きっと。「歯科医院から感染」とかニュースが出たらどうなるんでしょうね? 案外いちばんビビってるのは歯医者なのかもですよ。

歯科治療の見える化

テキストより画像、画像より動画と時代は変わってきています。 当院も治療の見える化を進めています。

さて、顕微鏡の映像記録です。患者さんはこんなの読んでも一文の得にもなりませんからスルーしてください。

マイクロスコープ導入時に内臓のCCDカメラをオプションで取り付けました。映像記録は重要だとボンヤリ考えていたからです。当時は動画をダイレクトにパソコンに取り込む方法はとてもお金が掛かりました。そこでカメラからビデオデッキに出力して録画して、それをビデオデッキ内蔵のCDに焼いて、そのCDをパソコンでリッピングしてやっとパソコンで編集可能なデータにしていました。これは非常に面倒でしかも時間が掛かりました。最初のうちは面白くてやっていましたが、そう長続きはしませんでした。

しばらくして次にやったのは値段も下がってきたADコンバーターを使ってアナログ信号をデジタル変換してMacに取り込むという方法です。こんな機材を使っていました。内臓CCDカメラの出力をS-Videoで入力してUSBでデジタル出力します。カメラからは同時にコンポジット出力もできたので、その信号を患者さん用のモニタに映し出していました。

どちらの方法も静止画を保存することはできなかったのですがモニタの出力をストップモーションのようにすることはできたので、そのモニタの映像をデジカメで撮影するということをしていました。モアレだらけの不鮮明な映像しか残せませんでした。

記憶が定かではありませんがこのADコンバーターを導入した頃にYouTubeに動画のアップを始めたのだと思います。今でこそ百花繚乱のYouTubeですがその頃はまだまだマイナーな世界でした。

ブロックノイズも出て綺麗じゃないですけど、これが私が最初にアップした動画です。こんな片田舎の歯科医院の顕微鏡の先の小さな映像が、世界中に向けて発信されたのです。世界へのグライドパス確保(笑)。

このシステムでしばらくやっていたのですが、何年かして画像が汚くなっていきます。さすがに看過できないレベルになりどこに問題があるのか検証してみると、外部機器だと思っていたのに原因は内蔵CCDカメラの経年劣化でした。これは致命傷です。内蔵だけにどうしようもありません。アッセンブリー交換はできたようですがまたいずれ劣化する可能性がありそのときのことを考えてシステムを一新することにしました。

ビームスプリッターというものを鏡筒に取り付け光学的に像を分離して外部に出し、それをカメラで拾うという方法です。これならカメラがダメになってもそこだけ交換できます。カメラの性能はどんどん良くなり、価格はどんどん下がります。「歯科用」である必要はありません。カメラはビデオカメラでもデジイチでもミラーレスでもコンデジでもスマホでもアダプターを使って接続できます。単なるマウントの問題です。パソコンにデータを取り込むのも簡単にできます。そのままYouTubeでライブ配信だってできちゃうと思います。マイクロスコープはカメラの交換レンズだと考えれば良いのです。

私が使用しているカメラは実験室にあるような顕微鏡の撮影に特化した特殊なものなのですが、動画を撮影しながら静止画を撮ることができません。基本的に治療中は動画は撮影しっぱなしなのですが、治療後にすぐに大まかに説明するには動画は不適切です。どの辺にどんなことが記録されているのかを簡単に見つけることができないからです。静止画ならこのように羅列して選ぶことができます。

で、やっとこれの話に辿り着きました(汗)。Blackmagic Video Assistという映像機器です。もう近いうちにディスコンになる、シリーズで最安の機種です。HDMIの入力とスルー出力ができるレコーダーです。発売されてからずいぶん経っている機器なんですが、それでもオーバースペックで圧縮率の高いコーデックを選択しても、データのサイズが無用に大きくなってしまいます。今後は動画記録はこれで行い、静止画はカメラ側で撮ることにしようと思っていたのですが、こんな大きいデータを保存しているとストレージがとんでもないことになってしまいそうです。カルテのように保存の義務があるわけでもないので捨てれば良いんです。そうなんです。そうなんですがねぇ・・・・・。

まあとにかく暫く運用してみます。