総義歯(その5)

咬合器に模型が付着されました。上下の位置関係は精密印象の際の仮のかみ合わせですから、この後、精密な咬み合わせを採り直します。そのために行うのがゴシックアーチトレーシングです。ゴシックアーチトレーサーを模型に付けるには咬合器上で行う必要があるため、仮の咬み合わせが必要だったわけです。

下顎にはこのようなピンがあります。このピンは長さが可変です。それによって咬み合わせの高さを調節範囲内で変えることができます。

上顎にはこのような板を付けます。

これを口の中に入れて咬んでもらいます。中心一点しか接触しないというのがミソです。そしてその位置をシリコンで記録します。

この咬み合わせを今まで使っていた「仮の咬み合わせ」と入れ替えます。具体的には下顎の模型を咬合器から外して付け直します。ここまでが私の技工です。この後咬合器は技工所に引き渡されます。

総義歯(その4)

総義歯(その3)

総義歯(その2)

総義歯(その1)

 

 

総義歯(その4)

下顎の精密印象です。ブルーのシリコン印象材の下をティッシュコンディショナーという材料で裏打ちしてあります。

凹んでいる所が「染谷のスジ」です。

上顎の印象。このケースではそのままフェイスボウトランスファーをしてしまいます。仮のバイト(噛み合わせの記録)も同時に採ってしまいます。閉口印象だからできることです。

フェイスボウトランスファーというのはこのような作業で、顎の関節と上顎の位置関係を咬合器上に再現するために行われます。

上顎は金属床義歯になる予定ですので、その為にもこんな作業をしておきます。精密印象とフェイスボウトランスファーを一回でやるとこの辺の作業は遥かに面倒になるのですが、患者さんの通院回数を2回少なくすることができます。来院回数を減らすことも患者利益です。

総義歯(その3)

総義歯(その2)

総義歯(その1)

 

総義歯(その3)

ハノーというメーカーの咬合器です。ここに模型をセットして義歯を作るのです。咬合器に模型をセットする際に患者さんの顎関節との関係を再現するのに使われるのがフェイスボウという器具です。この写真は咬合器にフェイスボウを組み合わせた状態です。

ハノーH2 30年使ってますが、なんて格好いいんでしょう! 機能美ここに極まれり!
と、今回はそれが書きたかっただけです(笑)。

総義歯(その1)

総義歯(その2)