シリコンテープとトッフルマイヤーリテーナーを用いてレジンコーティング

この位削ってしまってもダイレクトボンディングは可能ですが、カリエスリスクの高い方(むし歯がいっぱいできている方)の場合は全体を被せてしまった方が長持ちすることもあると思います。このケースでも大きなむし歯が多くの歯にできていて、どの治し方を選ぶべきか悩みます。

この動画はむし歯を削り取ってコンポジットレジンで充填していますが、この後クラウンを被せる予定です。最終的な治療ではないのでリテーナーのフィットも完璧ではありませんが、削り直すときに修正します。むし歯を削り残すのは禁忌ですからシリコンテープで明視化したり、レジンを詰める際に水分が入ると接着しませんからラバーダムを掛けています。

白い詰め物と接着剤(セメント)

セラミックインレイなどの白い詰め物は殆どの場合レジンセメントという接着剤で装着されます。レジンセメントはコンポジットレジンのような物なので堅くて歯に接着します。したがってはみ出したセメントを完全に除去するのは大変難しく、その色は歯に似ているのでさらに困難さを増します。明るい拡大下で無ければ無理なんじゃないかとさえ思います。

書きたいことは山ほどあれどじっと堪えてここは口をつぐみます。動画は全編早送りですが実際の治療時間は100分以上掛かっています。

上唇小帯切除術

線で囲んだ部分の改善を行います。

術前。上唇の裏側から歯茎に伸びる襞のような組織を上唇小帯と言います。まずはこれを切除します。動画に出てきますが付着歯肉という本来は動かない歯肉がこの小帯を引っ張ることで動いてしまうので、切除した方が長期安定に繋がると判断しました。痛々しく見えると思いますが実は侵襲は大きくない治療です。

3日後に糸を抜いた状態です。痛み止めの使用は術直後に1回だけだったそうです。早期に抜糸するのはナイロンモノフィラメントの糸がチクチクして不快だからです。

動画は刺激的なシーンでは白黒にしてはありますが苦手な方はご注意ください。マイクロサージェリーを行っていますが習慣でやっているだけで顕微鏡無しでも問題は無いと思います。本当に全然大したことはない手術です。