11年経過のPFMブリッジと局部金属床義歯

上顎前歯にメタルボンドブリッジ。臼歯はパーシャルデンチャー。下顎は予後が読めなかったので治療に介入しませんでした。その後下顎の前歯(右下1番)を抜歯してレジンの歯を接着させてあります。

この度、義歯の歯が欠けてしまったので来院されました。上顎は安定しています。

セット時
セット時
11年経過 黄ばんでいるように見えますが写真の露出のせいです。セラミックは一切変色しません。
11年経過 拡大

決して良好なブラッシングではありませんが、上顎はあまりプラークが付いていません。従って歯肉の炎症もありません。セラミックはプラークが付きにくく歯肉に優しい材質です。高い精度で治療に介入することが結果的に長期に歯を守るということもあるのかもしれません。オーバートリートメントとの線引きはとても難しいので簡単に答えは出せませんが。

セット前のブリッジ

このように義歯とクラウンを併用する補綴治療ではメタルボンド(金属焼き付け陶材冠)を選択します。義歯のクラスプ(バネのような維持装置)との相性が良いのです。

10年を安定して経過したということは、まだまだ当分は安定した経過を送ると思われます。10年前の健康への投資が成功したということですね。めでたしめでたし(^^)。

デジタルデンティストリー

連休初日はデジタルデンティストリーのセミナーに参加してきました。デジタル関連のセミナーに参加するのは10年ぶりです。CAD/CAMに興味があるわけではないのですが、IOS(Appleじゃないですよ。口腔内スキャナです)に最近思うことがあるのです。

それなりに私でも話しについて行けました。基本の基本は私がデジタルをスタートした時代とそう大きくは変わっていないようです。ずっと言い続けてきた光学印象の限界は、未来永劫変わることはありません。
それでもひたすら考え続ける歯科医師がいて、例えばIOS(Appleじゃないですよ。口腔内スキャナです(二度目))の欠点を補正するアイディアは感動ものでした。道具は使いこなしてナンボのものです。取説どおりに使っている限りは大したことはできません。

情報では今年中に日本のメーカーがIOS(Appleじゃないですよ。口腔内スキャナです(三度目))を発売することが決まっており、それはつまり保険に導入されるということであり、CAD/CAM冠はメタルクラウンより報酬が高いですから雪崩を打つように歯科医院に広がることが予想されます。そして・・・・・・

下の写真は当院でデジタルデンティストリーを開始した当初の10年前の症例です。

深いむし歯

右に写っているクラウンの隙間がむし歯になっています。

クラウンを外してむし歯を除去したところ。歯肉を電気メスで焼いています。これをレジンで埋めて・・・・

仮歯を入れて経過を診ます。

両隣の歯は残念ですが根管処置が必要でした。根管治療はとても難しいので、できる限り避けたいものです。